「新人の素朴な疑問」を大切に

押印文化の見直し、離島への行政サービスの見直しを例に挙げましたが、これを機に「前例踏襲」の文化が見直されると良いですね。「どうして押印するの?」「今まで押印していたから」ということが続かないように、というわけです。

民間部門にも「これまで行ってきたから」ということは多数あるはずですから、それらを見直せば、日本経済の生産性が大いに高まるかもしれません。

そのためには、その組織に長く在籍している人でない「新人」の疑問を大切にすることも選択肢でしょう。本当の新人でも良いですし、配置転換されてきたばかりの人でも良いでしょう。そうした人々の「素朴な疑問」を多数聞き出して、それに対して「そんなことは当然だ」という以外の回答を考えてみると良いかもしれませんね。

たとえば、「今日の会議、メールやオンラインじゃダメだったんですか?」という質問に正面から答えることができないならば、次回から会議の半分はメールで、3割はオンラインで行ない、2割だけ実際に集まる、といったイメージですね。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。

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塚崎 公義