もっとも、政府が外出自粛要請を出したことで売り上げが落ち込んだ飲食店にまで補償するとなると、自粛要請と売上減少の因果関係の立証が難しいので、持続化給付金といった措置になるのでしょうが。

離島からの移住にも「割増退職金」を

少人数の高齢者だけが住む離島があったとすれば、彼らに「移住奨励金」という名目で「割増退職金」を支払い、離島から移住してもらう、という選択肢があるでしょう。山奥の寒村の住民や、「コンパクトシティ計画」の敷地外の住民などに対しても同様です。

彼らのために巨額の財政支出を続けるよりも、移住奨励金を支払った方が遥かに安上がりだからです。印鑑製造業者に割増退職金を支払って行政サービスを効率化した方が安上がりだ、というのと似た発想ですね。

バブル崩壊後の長期低迷期には、離島等への行政サービスは失業対策という意味合いもありましたが、少子高齢化による労働力不足の時代には、その分の労働力を介護等に振り向けるべきでしょうから。

もちろん、「生まれ育った離島を離れたくない」という人に無理に移住してもらうことはできませんが、「割増退職金」の発想で、比較的高額の移住奨励金を用意すれば、応じてくれる人も多いのではないかと思われます。

「押印は必要だ」という思い込みを廃して行政の合理化を考えるべきなのと同様に、「離島等の住人がいる以上、行政サービスを提供するのが当然だ」という思い込みを一度廃してみて、冷静に選択肢を検討してみることが求められるわけです。