単利か複利かの選択を迫られる筆者の身近な事例は、定期預金の継続です。

筆者はインターネット専業銀行で取引していますが、定期預金の継続日には、①元本継続、②元利継続、③満期自動解約の選択が与えられます。ご自身の定期預金を継続する際、この選択を正確に判断できるでしょうか。実は単純な定期預金の継続でも、結構頭を使うのです。

定期預金、元本継続・元利継続・満期自動解約の違い

①元本継続

これは元本だけ継続する定期預金です。

たとえば、100万円で1カ月定期預金を組んで満期日になった際、元本の100万円のみ再度1カ月定期預金で継続運用するものです。利息は普通預金口座に入金され、利息(税引後)が定期預金の元本に付加して継続運用されるわけではありません。いわゆる単利運用ですね。利息は再投資されません。

②元利継続

これは満期到来した定期預金の元本と利息(税引後)を合算し、もう一度同じ期間で継続するものです。

一応複利の運用となりますが、自動継続後の運用期間によって金利は変わるので、同期間の定期預金を継続したからといってその後の運用期間で最大の金利を得られるというわけではありません(1カ月金利の方が1年金利より高い場合もある)。

③満期自動解約

満期自動解約はこれらの選択の中で最も不利に思えますが、もし元利を再度定期預金にして、前回と同じかそれ以上の金利がつくのであれば悪い選択ではありません。

たとえば、1カ月金利の方が1年金利より高い場合であればなるべく短期で継続再投資したほうが、資金を長期間寝かすよりも有利です。ただし、毎回手作業で定期預金を継続させるのは面倒ですが。