「年下だってわかるなりすぐタメ口で話してくる店員さん…」
「私もこれ持ってますよってよく言われるけど、なんかムカつく」
「この前行った服屋さんの店員、馴れ馴れしすぎた。買わないとわかったらすぐに違う客についたし」

「店員さんに話しかけられたくない」という人は多いようで、SNS上でもよく話題になります。上記のコメントもSNSで見られるアパレル店での接客への怒りの声の一部です。

ニュースサイト「しらべぇ」の調査によると、8割以上の人が「服を買うときはそっとしておいて欲しい」と思っているとのこと。また、売り上げの分だけ給料が上がるインセンティブ報酬を採用しているアパレル店では、お客さんとLINEでつながって自ら営業をかけるということがよくあり、それに関してもよく賛否両論の声が上がっています。

この記事では、「お店での接客時の声掛け」について、もともとの意図やそれに対する意見を紹介していきます。

なぜ店員さんは声掛けをするのか

そもそもの話ですが、なぜ、店員さんは声を掛けるのでしょうか?

これについては、同じくSNS上で、接客経験者とおぼしき多くの人が、こんな説明をしています。

「声掛けしたほうが確実に売り上げが上がるし、声掛けしてないと上司には怒られる」
「店員の声掛けには万引き防止の意味もある」
「なんとなく見にきたって人は実際そんなに買わないし、返してしまっても問題ない」

とはいえ、実際にアパレル店で店員をされている人も、「声を掛けられたくない」というお客さんが多いということはわかっているため、接客時の声掛けは悩みのタネの一つのようです。

話しかけられたい人も

もちろん、お客の側として「話しかけられたい」という人の投稿も多く見られます。

「今日欲しかった服見に行ったけど店員さん同士が話してて試着できず帰った…」
「接客含めてサービスだと思っているので普通に話しかけられたい」
「ファストファッションならいいけど、これがどういう服なのかとか、そういうのを聞きたいし接客は必要」

お店に対してどのような目的を持っていて、どんなサービスを期待しているかによって、声掛けをされたいかどうかの意見は変わるようですね。ある投稿では「スーパーなどであっても、もう少し店員さんと相談して購入したい」といった意見もあります。

コロナ後の接客の変化

しかし現代は「ウィズコロナ」の時代。感染を防ぐために、接客にも大きな変化が現れています。

たとえば「オンライン接客」を行なっているアパレル店もみられます。これは、Zoomなどを利用してお客さんと一対一で話すものや、インスタグラムやユーチューブのライブ機能を使って店員が服を試着したり説明したりするものを指すそうです。確かに、こうした形であれば、接客を受けつつも、感染のリスクは抑えられますよね。

また、普段であれば「積極的に話しかけて熱心に接客する」というスタイルをとっていたアパレル店も、多くはソーシャルディスタンスを守った距離感での接客に移行しているようです。

最近では、お客さんが声をかけられたくないという気持ちを尊重して、最初から「話しかける接客」をしないというお店もあります。

新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえて、オンラインでの購入ができるアパレル店も増えてきています。もちろん、アパレル業界ではお店にとってお客の減少はやはり深刻な事態で、倒産なども相次いでおり、オンラインがすべてを代替できるわけでもありませんが、「いままでの接客が苦手だった」という方にとって、アパレル店が身近になっているかもしれません。

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