実家に顔を出すと親から聞かれる金銭にまつわる話。雑談の一つとも言えますが「時代が違うから比較しても意味がないのでは…」と思いつつも何度も親から繰り返し言われることで「やっぱり昔の人の方が稼ぎもよく幸せだったのでは?」なんて思って思うことはありませんか。
今とは違い終身雇用でボーナスは当たり前だった親世代。自分たちを「勝ち組」という親世代と比べ、本当に「今の若者はかわいそう」なのでしょうか。
「昔の人は給料をたくさんもらっていた」は本当か?
現在40代のMさんは度々お母さんから「お父さんは高給取りだった」という話を聞かされて育ちました。一部上場企業に勤めていたお父さんは就職して以来その会社一筋で、子会社の役員を勤めた経験もありました。
Mさんも子どもの頃から会社の保養所に旅行に行ったり、会社から福利厚生の一環でプレゼントをもらっていたりしたので「お父さんの会社はやさしいな」と子供心に思っていたそうです。
帰省して何気なく年収の話をお母さんとしていた際にいわれたのが「今はどこも厳しいのね。お父さんはあなたくらいの年齢には1000万円近くもらっていたのにね…」という一言でした。
それでは、本当に「昔の人の方がお給料をたくさんもらっていた」のでしょうか。厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」によりますと、平成元年の一般労働者の1ヶ月分の賃金(6月分の所定内給与額)は241800円。対して令和元年は307700円と、なんと最近の方が高い結果になりました。それでは、統計などと比べ「昔はよかったのに」と感じる背景にはどのような理由があるのでしょうか。