シリーズでお伝えしている「注目小売店月次実績」。今回は牛丼チェーン店「松屋」他を運営する松屋フーズHD(9887)の2020年10月の月次動向及び過去実績、また過去1年の株価動向について振り返ってみましょう。

直近の月次実績

2020年11月2日に更新された松屋フーズHDの速報ベースの2020年10月既存店売上高は、対前年同月比96.9%。内訳は客数86.1%、客単価112.5%であり、客単価が110%以上の大きな伸びを見せたものの客数のマイナスが足を引っ張りました。

また全店売上高も98.4%であり、既存店・全店ともにマイナス成長となっています。

今期の既存店売上高の振り返り

では、同社のここまでの既存店売上高はどう推移してきたのでしょうか(同社は3月決算)。

既存店売上高については、前期は新型コロナウイルス問題が本格化した3月(94.8%)を除き全ての月でプラス成長を果たしました。一方、今期は10月まで全ての月でマイナス成長が継続中です。ただし10月の対前年同月比96.9%は今期の最高値であり、今後のプラス成長への回帰が期待されます。

また全店売上高も既存店同様の推移を見せており、10月は今期の最高値となりました。

過去1年の株価動向

最後に同社の株価動向を見ていきましょう。

同社の株価は2019年7月から上昇が続き、2020年1月には5,130円の高値に到達しました。しかし反落し2月後半からの世界的な株価下落を背景に、3月13日には3,025円の安値を付けています。

その後は反発し、5月に4,000円台を回復したものの再び下落に転じました。7月には3,125円まで下落が進みましたが、現在は3,400~3,500円前後での取引が継続中です。

新型コロナウイルス問題の影響から、今期は既存店・全店ともに売上高のマイナス成長が続いています。しかし10月は対前年同月比で今期最高の売上高となりました。11月以降どのタイミングでプラス成長に戻るのかが注目されます。

松屋フーズホールディングスの過去1年の株価推移

参考資料:月次報告 2021年3月期(2020年4月〜2021年3月)

LIMO編集部