「出生前診断」は受けなかった

出生前診断は受けませんでした。最近では簡単な採血だけで99%の確率で胎児異常がわかる検査(※)が登場しているとのこと。Aさんも受けるかどうかを正直迷ったそうです。しかし、いざ異常がわかった時にどうするのかという点を考えたときに脳裏をよぎったのは、流産の処置を受けたときの記憶でした。

「二度とあのような手術は受けたくないと思っていました。でも、お腹の中の子に異常があるかもしれないと診断された場合…」そんなことを考えて、Aさんは、どうにもやるせない気持ちになってしまったそうなのです。

「出生前診断を受ける人たちの気持ちは十分にわかるし、そういう診断があることを否定はしません。ただ、私は、そういった診断は受けず、お腹の中で育ってくれるのならば、この子を産んであげたいと思いました」

結果的に、生まれてきた下の子には、特に異常は認められませんでした。

※新型出生前診断(NIPT)
妊婦の血液にわずかに含まれる胎児由来のDNAを分析する手法で、採血だけですみ、しかも感度が約99%と高く、検査が受けられる時期も長いのが特徴。