この秋、プロは自腹で何買った? 後編です!

少しずつ寒くなってきました。秋服の買い物は進んでいますか? この秋に何を買おうか迷っているなら、一足先に秋アイテムをゲットし終えたプロの声に耳を傾けてみるべし。

ということで、前編に続き、人気セレクトショップスタッフの自腹買いアイテムを調査してきました! 秋アイテムを買う前にぜひご一読のほどを。


1. 大井 勇人さん(ZABOU TOKYO)

いつも素敵な笑顔と関西弁で迎えてくれるZABOU TOKYOの若頭。渋谷ランチのお気に入りは「焼魚食堂」。サバの一夜干し定食を頼みがち

 

リピート買いを誘うボタンダウンシャツ

―この秋、大井さんがご自身用に買われたアイテムを教えてください。

大井:「SERO(セロ)」のシャンブレー地のボタンダウンシャツです。実はすでに同生地のものは持っていたのですが、袖と襟元が擦り切れてきたのでリペアに出しました。仕上がりには満足しているのですが、新しいものも欲しくて買い直しました。

80年代のアイビーブームを牽引した老舗シャツメーカー。ボックスプリーツにハンガーループなどディテールは正統派のアメトラ仕様。生地、縫製ともに日本製。SERO / シャンブレーボタンダウンシャツ ¥10,780


ーリペアと同時に新品も購入されたんですね。

大井:やっぱり新しい季節が始まるので、単純に新しいものが着たいなあと。あと、僕は季節の変わり目はシャツから買い始めることが多いんですよ。シャツは暑かったり、肌寒かったりが不安定な時期でもすぐ使えますし、重ね着のベースにもなるアイテムなので。

ー数あるボタンダウンシャツの中で、SEROの一着をリピートした理由はなぜなのでしょう?

大井:なんていうか、SEROはいい意味で普通なんです。うちは今、ボタンダウンシャツを合計3ブランド展開していますが、その中で価格的にも立ち位置的にもバランスが取れている。つい手に取ってしまうブランドです。

タックイン、タックアウト両方に対応する着丈で、襟もやや小ぶり。上にセントジェームスやニット類を重ね着した時も収まりがいいのがSEROの特徴だそう


ー他に取り扱っている2ブランドのボタンダウンシャツはどんな感じなんですか?

大井:他だと「H by FIGER(エイチバイフィガー)」はややドレス寄りの雰囲気ですし、「SPINNER BAIT(スピナーベイト)」はタックアウトの着こなしを好む日本人向けに特化したシルエットだったりします。それぞれに良さはあるのですが、個人的にカジュアルな普段着として一番買っているのが今回のSERO。色違い、素材違いで5着ほど持っていますよ。

ー大井さんの普段着に一番フィットするのはSEROなんですね。コーディネートする際のコツなどはあるんですか?

大井:うーん、ベーシックなアイテムなので、特に気をつけるポイントはないかな。軍パン、チノ、デニムの何にでも合いますから。あ、首元に何か巻くスタイルは今年ちょっと挑戦してみたいですね。

おもむろにバンダナを取り出す大井さん。MANOLIVA(マノリーヴァ)というイタリアのハンカチメーカーだそう。57cm四方のやや大き目のサイズ


ー首元に何か巻く?

大井:例えば、こういうバンダナをきゅっと首に巻いてみる感じです。結構売れているんですよ。初回仕入れた分はすぐなくなってしまいました。自分は今までちょっと気恥ずかしくて、あまりやってこなかったスタイルなんですけど(笑)。

ー何かきっかけがあったんでしょうか?

大井:僕含め、30代に差し掛かる年齢のスタッフが増えてきたました。今までより大人っぽい格好もしたいね、なんて話をよくするんです。そんな流れからですね。「今年は巻いてこか」と(笑)。

照れながらも首に巻くスタイルを披露してくれた大井さん。コットン地なのでエレガントになり過ぎず、取り入れやすそうだ

ジャケット/ PROPPER、パンツ / BARNSTORMER、シャツ / SERO、シューズ / REGAL、キャップ / Polo Ralph Lauren


ZABOU TOKYO
住所:東京都渋谷区神南1丁目5番2号 川村ビル 2F
TEL:03-3461-7773
営業時間:12:00 – 19:00


2. 白木凛太郎さん(SELECT STORE SEPTIS)

現在、オーナーの玉木氏と二人三脚で店を切り盛りするSEPTISの若きエース。休日も古着屋巡りに余念がない。最近の掘り出し物は「NEW YORK JOE」で見つけたヴィンテージのマンシングウェアのカーディガン

 

ストレートなアメカジをダウンベストで楽しむ

ー前々から気になっていたダウンベストを購入したとのことです。

白木:CRESCENT DOWN WORKS(クレセントダウンワークス)のイタリアンベストです。まず、60/40(ロクヨン)クロスと呼ばれる生地がすごい好きなんです。裏地のストリークフリーナイロンを表地に使用しているバージョンもありますが、僕はダウンの取り扱いにあまり気を使いたくない。なので、自分用には60/40クロスのほうを買いました。

希少なアメリカ生産を貫くダウンブランドCRESCENT DOWN WORKS。アウトドア用の素材として有名な60/40クロスを表地に採用。700フィルパワーのホワイトグースダウンを使っているので、保温性も申し分なし。CRESCENT DOWN WORKS / ITALIAN VEST ¥ 39,930


ーSEPTISでは他モデル(ノースバイノースウェスト)も展開していますが、イタリアンベストを選ばれた理由は?

白木:今回のイタリアンベストは昔ながらのややゆったりした形です。いい意味で、ちょっと鈍臭いというか。ノースバイノースウェストのほうはちょっと僕にはかっこよすぎる。シルエットもわりと細身でシュッとした感じです。実際、身幅はワンサイズ分違うんです。

同ブランドのノースバイノースウェストというモデルも人気がある。裾の形に特徴があり、着こなしの変化も付けやすい。身幅はイタリアンベストより細め


ー白木さんはイタリアンベストのほうが気に入ったと。そもそも、ダウンベスト自体もお好きなんですか?

白木:結構好きですね。単純にダウンベストのほうが使える時期が長いじゃないですか。長袖のダウンのほうが一般的かもしれませんが、いい値段がするわりに使える時期が限られる。ダウンベストならレイヤードするアイテムによって、いろんなコーディネートを楽しめる。僕にとってはコスパが高いアイテムですね。

ーダウンベストは合わせるアイテムの選択肢も広そうです。今年はどんなコーディネートをする予定ですか?

白木:ネルシャツやウールシャツに合わせて、こてこてのアメカジのテイストで着たいですね。逆に、今そういう着方をしている人ってあまりいないのかなと。デザイナーズものなどとミックスする着方もあると思いますが、僕は100%アメカジでまとめたいですね。

ー確かに新鮮かもしれません。白木さんはお店のアイテムをどんなタイミングで買われていますか?

白木:だいたい営業後に買うことが多いです。ただ、在庫は当然お客さん優先。暗黙の了解として、だいたい2週間くらい店頭に出してからでないと買えないんです。そこから社長(※玉木氏)に買っていいかのお伺いを立てます。一回めちゃめちゃ欲しいアイテムがあって、入荷した日に買っていいかと聞いたら「さすがにそれはダメだ」と言われました(笑)。

ダウンベスト / CRESCENT DOWN WORKS、シャツ / PRIVATE PROPERTY、カットソー / HEALTHKNIT、パンツ / U.S.ARMY (DEAD STOCK)、シューズ / CONVERSE、キャップ / BLUE MARLIN


SELECT STORE SEPTIS
住所:東京都世田谷区三軒茶屋1-41-13
TEL:03-5481-8651
営業時間:15:00~19:00(土日祝は12:00~19:00)
定休日:毎週水曜日・第三火曜日


3. 芹澤伸介さん(WEEKENDER SHOP)

飽きがこないベーシックなアイテムが揃うWEEKENDER SHOPの店主。蔵前一の甘党を自負している。店の向かいにあるSOL’S COFFEE STANDのキャラメルナッツタルトがお気に入り

 

素肌に着たいと思えるブランド

ー購入されたアイテムを教えてください。

芹澤:comm.arch.(コムアーチ)のロンTです。とにかく肌触りのよさに惹かれて買いました。画像では伝わりにくい部分ですが、触ってもらえればわかるはず。あとはこのシンプル過ぎるデザインもいいですね。

高級インド綿の極細番手の糸を用いた滑らかな肌触りのカットソー。繊細な生地は1枚だと透けてしまうため、2枚仕立てにしている。裾や袖口に縫製ステッチが露出しないミニマルなルックスもポイント。comm.arch. / DOUBLE LAYERED L/S TEE 16,500円 ※あいにく取材当日に完売


ー展示会で気に入ったアイテムだったんですか?

芹澤:いや、元々は同じ生地の半袖バージョンを先に展開していたんです。その半袖はすぐに売れてしまったのですが、自分用にもこの生地のカットソーは一着欲しかった。次に長袖のロンTを仕入れたタイミングで自分でも購入しました。

ー触ってみると確かに肌触りがいいですね。

芹澤:そうなんです。なので、このロンTは直接一枚で着ています。僕、普段なら絶対下に何か着たい派なんですよ。Tシャツも一枚だけで着るのは落ち着かない。でもcomm.arch.のカットソーは素肌に着たいと思わせてくれる。やはりニットのブランドだけあって、肌触りに対するこだわりがすごいんです。


―ニットのお話が出ましたが、他に今年の秋冬に狙っているアイテムはありますか?

芹澤:うちのお店でも推しているんですが、タートルネックは一着欲しいなと思っています。comm.arch.からひとつ選んでもいいかな。

ータートルネックなんですね。個人的にはやや縁遠いアイテムです…。

芹澤:そういう方も多いですよね。でも、タートルネックって着こなしのワンポイントにしやすいんですよ。カットソーっぽい生地のタイプなら、上にシャツを羽織ってもいいし、クルーネックのスウェットを重ねても合う。コーディネートが大人っぽくなるアイテムでもあるんで、僕は好きですね。

同じくcomm.archのタートルネックカットソー。ウールとは思えないほどのツヤ感とスムースな肌触り。素材の良さを直接感じるために、芹澤さんは肌着として使いたいという

ジャケット / SH、カットソー / comm.arch.、パンツ / steven alan、シューズ / CONVERSE、キャップ / COMESANDGOES


WEEKENDER SHOP
住所:東京都台東区蔵前3-18-7
TEL:03-5825-4609
営業時間:11:00-20:00
定休日:月曜日

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