一方、バイデン氏が当選し、さらに大統領選と同時に行われる連邦議会選で民主党が下院、上院ともに過半数の議席を獲得することができれば、経済対策など政策運営が進めやすくなると見られ、買われる展開になりそうです。

大統領選の結果が判明するのは日本時間の4日午前の予定ですが、場合によっては遅れが生じる可能性もあります。前回は、株価や為替が1日の中で乱高下しました。スキャルピングなど、超短期売買をするような人にとってはチャンスかもしれませんが、それ以外の人は、しばらく様子を見るのも一つの方法です。

短期的には下降トレンドに

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。

10月に入ってからずっとローソク足の実体が短い、小幅な値動きが続いていました。先週は、週初26日は同様の動きを感じさせましたが、27日にいきなり窓をあけて下落して寄り付き、足元でサポートラインとなっていた25日線も割り込みました。しかし、その後は長い下ヒゲを付けて上昇し、終値では25日線を回復しました。

ところが翌28日には再度窓をあけて下落、その後は25日線を回復することもなく、30日にはさらに大きく下落し、75日線も割り込んでしまいました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。終値ベースで75日線を割り込んだのは5月下旬以来です。やや警戒が必要です。直近の押し安値である10月2日の安値(22,951円)も一時下回っただけでなく、終値ベースで心理的節目となる23,000円を回復できませんでした。

チャートは、中期的にはまだ上昇トレンドを維持していますが、短期的には下降トレンドとなっています。下値メドとしては目先意識されやすい22,000円あたりになるでしょう。

ちょうどこのあたりに200日線があることから、近づいてくれば押し目買いも入りそうですが、そこまではするすると下がってしまう可能性もあります。逆に来週初に75日線を回復するようであれば、また1000円未満の小幅なレンジでのもみ合いに戻りそうです。

下原 一晃