欧米のコロナ感染者数急増を受け相場は下落
2020年10月30日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より354円81銭安の22,977円13銭となりました。5日続落で、心理的節目となる23,000円も割り込みました。8月28日以来、およそ2カ月ぶりの安値です。
大きな要因は、欧州、米国で新型コロナウイルスの感染者が急増していることです。欧州では10月下旬、フランス、イタリア、ドイツ、英国、ギリシャ、ベルギーなどで、感染者数が過去最多を更新しました。一部の都市でのロックダウン(都市封鎖)や夜間外出禁止などを導入する国もあります。
また、米国でも10月下旬、感染者数が過去最多となっています。大統領選の集会の開催などにも影響が出ています。
今週の動きはどうなるでしょうか。最大の注目は11月3日に投開票が迫る米大統領選です。現状、世論調査などによると、民主党候補のバイデン前副大統領が優勢で、トランプ大統領は苦戦していると伝えられています。
しかし、前回2016年の大統領選では、多くの人がトランプ氏の勝利を予想していなかったにもかかわらず、ふたを開けてみるとトランプ氏が圧勝でした。今回も「隠れトランプ」支持者が多くいると見られ、最後まで何が起こるかわかりません。
難しいのはどちらが勝っても、株価がどう動くか想定しづらいところです。市場はやや、バイデン氏当選を織り込んでいる印象があります。2016年の大統領選では、想定外だったトランプ氏当選が決まるといったんは売られましたが、その後はむしろ買いに回る投資家が目立ちました。
バイデン氏が当選した場合も方向が分かれそうです。バイデン氏が法人税の増税を行うと見られていることから、当選が決まると株価が下がるという予想もあります。