まさか家族を疑うなんて…。認知症の「物盗られ妄想」に寄り添うには?

介護をしていると、さまざまな問題に直面することがあります。とくに認知症の人を在宅でケアしている場合、対応方法に悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。

認知症で現れる症状のなかでも、「物盗られ妄想」はとくに対応が難しいとされるものの1つです。「あれを盗まれた!」などと急に言われても、どう答えればよいのか戸惑ってしまう、どう対応したら良いのか分からない、と悩みますよね。

そこで今回は、「物盗られ妄想」の原因や対応方法などを解説し、上手な接し方や、声かけの方法をアドバイスしていきます。

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「盗られた」のは、本人にとって大切なものが多い

「物盗られ妄想」は多くの場合、本人にとって大切なものが見つからないときに起こります。

幼いころに貧しい時代を経験したり、若いころに苦労したり、という人は、財布や通帳などお金に関わるものを「盗られた!」と訴えることが多いです。

また、認知症の人は最近の記憶(短期記憶)よりも、昔の記憶(長期記憶)の方がよく覚えているため、ふとしたときに「あれどこにやっただろう?」などと、何年も見ていないようなものを急に思い出し、「どこにもない!盗られた!」と落ち着かなくなってしまうことがあります。

「物盗られ妄想」の背景にあるものは?

認知症でうまく記憶ができなくなると、「自分が財布などをしまった場所が思い出せない」「自分がしまったということ自体を忘れてしまう」といったことが起こります。

「本人にとって大切なものがない+しまったはずの場所にない(自分がしまったこと自体を忘れている)」となれば、不安を感じ、「誰かに盗られた!」と思うのは、とても自然なことなのです。

また、孤独感や疎外感なども「物盗られ妄想」を引き起こす原因となります。

今までできていたことができなくなり、家族に怒られたり、相手にされなかったりすると、不安や不満が溜まります。その結果、ストレス発散のような形で周りの人を疑うことがあるのです。

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介護福祉士・福祉住環境コーディネーター2級・福祉用具専門相談員の資格を保有。


特別養護老人ホームでの介護職や、福祉用具レンタル会社での住宅改修業務を経験し、現在はwebライターとして活動中。

介護職時代のリアルな実体験や、細かな介護方法、介護リフォームなどの知識を、分かりやすく発信していきます。