教育・学生支援業は「eラーニング」の需要が高まる
また、在宅勤務の適用率が2位の教育学習支援業は就業者の増加率が4番目に高いですが、これは「eラーニング」の市場規模拡大が影響していることが考えられます。
㈱矢野経済研究所が発表した「eラーニング市場に関する調査」によると、2020年度の国内eラーニング市場規模は、前年度比4.5%増の2,460億円の予測を示しており、またCOVID-19の影響によって遠隔教育の需要が高まり、eラーニングのユーザー数を増加させるものとみています。
「eラーニング市場に関する調査」が発表されたのは2020年4月時点でしたが、教育学生支援業の就業者数の増加率が上昇していることから、実際にeラーニングの需要が高まったことと考えられます。
医療福祉業は就業者数の増加率が落ち着く
「労働力調査(2020年9月)」で就業者数の増加率が5位となった「医療福祉業」ですが、「労働力調査(2020年3月)」では就業者数の増加率は同4.8%増(同40万人増)と、全業種で最も高い数値でした。
コロナ禍が始まった直後の1月~3月にかけては前年同月比の就業者数が大きく増加していましたが、少し落ち着いた8月時点ではそこまで爆発的な増加率とはならなかったようです。
さいごに
コロナ禍に就業者数の増加率が高い業種についてみてきました。個人的には、1位は「医療・福祉業」だと考えていましたが、意外にも「不動産業,物品賃貸業」であったことに驚きました。
就業者数の増加率が高い業種の多くは在宅勤務を導入していることからも分かる通り、これからの時代は「変化に対応できる企業が生き残る時代」なのではないかと思います。
参考
「労働力調査(基本集計) 2020年(令和2年)9月分結果」総務省統計局
(※1)「JLL、2020年第1四半期 世界の商業用不動産投資額を発表」JLL
(※2)「2020年上半期首都圏マンション市場動向(2020年1月~6月)」不動産経済研究所
(※3)「コロナ禍なのになぜ購入? 追跡!都心の不動産売買」NHK『クローズアップ現代+』
「在宅勤務の適用の有無に関するアンケート」JILPT
「平成30年通信利用動向調査の結果(2019年)」総務省
「eラーニング市場に関する調査」矢野経済研究所
鈴木 太陽