定年後は夫婦で海外に旅行に行きたい、あるいはずっと憧れていた趣味を持ちたいと、定年後の老後生活に夢を膨らませている人も多いのではないでしょうか。

しかし、そんな定年後のわたし達の生活の収入源は主に「年金」となります。将来もらえる「年金」の金額によっては、旅行が国内になってしまったり、趣味に使えるお金が限られたりと、夢の老後生活に大きく影響が出てきそうです。

もっとも、新型コロナウイルス感染拡大の影響が下火にならないことには、旅行は国内、趣味も限定されてしまうということは十分に考えられますが。

今回は、厚生年金と国民年金をわたしたちは定年後にいくらもらえるのかをみていきたいと思います。

サラリーマンの厚生年金収入はいくらか?

はじめにサラリーマンとして民間企業で働いた人が厚生年金をいくらもらっているのかを見ていきたいと思います。
 
厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報」(平成30年)によると、厚生年金の月額階級別受給権者数は以下のとおりです。

男性

  • 30万円~:1万9千人
  • 25~30万円:31万人
  • 20~25万円:228万8千人
  • 15~20万円:428万4千人
  • 10~15万円:267万1千人
  •  5~10万円:106万8千人
  • 1~5万円:8万7千人
  • ~1万円:9万人

女性

  • 30万円~:(1,000人未満)
  • 25~30万円:4千人
  • 20~25万円:6万4千人
  • 15~20万円:40万3千人
  • 10~15万円:212万3千人
  • 5~10万円:233万7千人
  • 1~5万円:30万3千人
  • ~1万円:3万6千人

平均年金月額は、全体で143,761円、うち男性が163,840円、女性が102,558円です。

フリーランス、専業主婦(夫)の国民年金収入はいくらか?

自営業者は第1号被保険者、専業主婦(夫)は第3号被保険者となります。先ほどのサラリーマンが国民年金と厚生年金の2階建てで年金を受け取れるのに対し、1階部分である国民年金しか受け取れません。では、現在の国民年金受給額は以下のとおりです。

男性

  • 7万円~:36万5千人
  • 5~7万円:1,149万9千人
  • 3~5万円:206万3千人
  • 1~3万円:28万8千人
  • ~1万円:1万3千人

女性

  • 7万円~:142万2千人
  • 5~7万円:1020万人
  • 3~5万円:572万5千人
  • 1~3万円:101万9千人
  • ~1万円:7万人

平均年金月額は全体で55,708円。男性が58,775円、女性が53,342円と、こちらはあまり差がありません。

厚生年金と国民年金を繰下げ受給している人はどれくらいいるのか

次に厚生年金と国民年金を繰下げ受給している人がどれくらいいるのかをみていきたいと思います。

「繰下げ受給」とは、老齢年金を65歳で請求せずに66歳以降70歳までの間で申し出た時から繰下げて受け取ることです。繰下げ受給の請求をした時点に応じて年金額が増額されます。

平成30年に老齢厚生年金を繰下げ受給した人は全体の受給権者のわずか0.7%、老齢国民年金を繰下げ受給した人は全体の受給権者のわずか1.3%です。

年金を繰下げて受給している人が意外と少ないことがここでわかります。

厚生年金と国民年金を繰上げ受給している人はどれくらいいるのか

続いて、厚生年金と国民年金を繰上げ受給している人がどれくらいいるのかをみていきたいと思います。

「繰上げ受給」とは、本来は65歳から受け取る老齢年金を60歳から65歳になるまでの間に繰上げて受け取ることです。繰下げ受給とは反対に、繰上げ受給の請求をした時点に応じて年金額は減額され、この減額率は生涯変わりません。

平成30年に老齢厚生年金を繰上げ受給している人は全体の受給権者の0.3%です。これは老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢が引き上げられたことに伴い導入されました。

老齢国民年金を繰上げ受給した人は全体の受給権者の12.9%です。

老齢国民年金については、対象者を厚生年金の受給権を有しないいわゆる「フリーランス」を対象にすると30.8%まで引き上がります。

国民年金のみの受給権者は年金を繰上げて受け取る人が多い傾向にあることがわかります。

定年後の生活費は年金だけでは不安?

ここまでに厚生年金と国民年金の平均月額と繰上げ、繰下げ制度の利用状況をみてきました。

繰下げている人より繰上げている人の割合の方が多いのは、やはり定年後の生活費に余裕がない人がいるということが言えます。

「定年後はゆとりを持って生活したい」

そう希望する人は、働いている間に自助努力で老後の生活費を確保していく必要があります。

最近ではiDeCoやNISAなど老後の資産形成に適した金融商品が増えてきました。

ただし、iDeCoやNISAは制度もややこしく、運用する銘柄もどれがいいのかわからない、という人もまた、増えてきているのではないでしょうか。

iDeCoやNISAは基本的には自分自身で銘柄を選んで管理しながら運用する「DIY投資」です。運用初心者には、実はとても高度で難解な制度とも言えます。

自分自身だけで資産運用をする自信がない人は、失敗しないためにも、まずは運用のプロに伴走してもらいながら資産運用を始めると良いでしょう。

おわりにかえて

すでに時代は「人生100年時代」が到来しているといえます。ついに今年、100歳以上の高齢者が過去最多の8万450人となり、初めて8万人を突破しました。昨年と比べ9千人の増加と、かなりのハイペースで増えています。

そのため、わたし達は100歳まで生きることを前提に資産形成をしていく必要性が出てきました。

その一方で、銀行の預金金利は依然として超低金利のままです。

定年後の生活資金をしっかり準備したいという人は、これを機会に自分に最適な金融商品を運用のプロと一緒に探すところから資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料