平成30年に老齢厚生年金を繰下げ受給した人は全体の受給権者のわずか0.7%、老齢国民年金を繰下げ受給した人は全体の受給権者のわずか1.3%です。

年金を繰下げて受給している人が意外と少ないことがここでわかります。

厚生年金と国民年金を繰上げ受給している人はどれくらいいるのか

続いて、厚生年金と国民年金を繰上げ受給している人がどれくらいいるのかをみていきたいと思います。

「繰上げ受給」とは、本来は65歳から受け取る老齢年金を60歳から65歳になるまでの間に繰上げて受け取ることです。繰下げ受給とは反対に、繰上げ受給の請求をした時点に応じて年金額は減額され、この減額率は生涯変わりません。

平成30年に老齢厚生年金を繰上げ受給している人は全体の受給権者の0.3%です。これは老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢が引き上げられたことに伴い導入されました。

老齢国民年金を繰上げ受給した人は全体の受給権者の12.9%です。

老齢国民年金については、対象者を厚生年金の受給権を有しないいわゆる「フリーランス」を対象にすると30.8%まで引き上がります。

国民年金のみの受給権者は年金を繰上げて受け取る人が多い傾向にあることがわかります。

定年後の生活費は年金だけでは不安?

ここまでに厚生年金と国民年金の平均月額と繰上げ、繰下げ制度の利用状況をみてきました。

繰下げている人より繰上げている人の割合の方が多いのは、やはり定年後の生活費に余裕がない人がいるということが言えます。

「定年後はゆとりを持って生活したい」

そう希望する人は、働いている間に自助努力で老後の生活費を確保していく必要があります。

最近ではiDeCoやNISAなど老後の資産形成に適した金融商品が増えてきました。

ただし、iDeCoやNISAは制度もややこしく、運用する銘柄もどれがいいのかわからない、という人もまた、増えてきているのではないでしょうか。

iDeCoやNISAは基本的には自分自身で銘柄を選んで管理しながら運用する「DIY投資」です。運用初心者には、実はとても高度で難解な制度とも言えます。

自分自身だけで資産運用をする自信がない人は、失敗しないためにも、まずは運用のプロに伴走してもらいながら資産運用を始めると良いでしょう。