投資ファンドが展開する「ビレッジハウス」とは
フォートレスが展開する「ビレッジハウス」は、厚生労働省の管轄で運営されていた「雇用促進住宅」という公団住宅が元になっています。
「雇用促進住宅」とは、求職者の就職が決定してから次の住居が決まるまで、極めて低い家賃で貸し出された住宅のことです。入居手続きは職業安定所で行われ、入居期間は基本的に2年間でした。
この「雇用促進住宅」は1960年代から供給が始まりましたが、2000年台に入って入居率が低下&老朽化による修繕費が膨大になってきたため、事業の廃止が決定され、一括売却されたという経緯があります。
その一括売却を落札したのが、ソフトバンク傘下の米フォートレス・インベストメントです。
同社は、2016年から17年にかけ、2909棟を614億で落札しました。総戸数は約10万戸ということから、1戸あたりわずか60万円程度で取得したことになります。リフォーム代を加味しても、1戸あたり100万円程度で入手できたのではないかと思います。
その後、雇用促進住宅は低価格賃貸をコンセプトとする「ビレッジハウス」というブランドへとリブランドされ、10万戸という巨大な規模で運営が開始されました。
気になる「ビレッジハウス」の賃貸条件
この「ビレッジハウス」、元は昭和の公営住宅ですから、いわゆる公団タイプの2DKや3DKが主流です。
貸し出し家賃は2万円台からと格安で、敷金ゼロ、礼金ゼロ、手数料ゼロ、更新料ゼロ。さらに、同社のサイトから申し込むと仲介手数料もかかりません。しかも、現在は最大3万円の引っ越し支援金と、1ヶ月のフリーレント(家賃無料)もついてきます。
さすがに築40年以上といっても、ここまでの条件を出す賃貸住宅はまずないでしょう。
仕入れ単価が1戸100万円で、家賃が3万円だとすれば、その利回りは36%にもなります。もちろん稼働率にもよりますが、これだけ安く貸しても得られるリターンは計り知れないでしょう。