日本の財政が破綻しそうなときに取る手段〜破綻したギリシャとどう違う?

日本とギリシャは事情が全く違うので、ギリシャの財政破綻は日本の参考にはならない、と筆者(塚崎公義)は考えています。

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新型コロナ不況への対応として、政府は巨額の財政支出を行なっています。それにより財政赤字が増えて、日本政府が破産する可能性が高まると心配している人もいるでしょうから、数回にわたって財政を考えるシリーズを組むことにしました。今回は第3回です。

ギリシャ人がドイツ国債を買える

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日本政府が巨額の借金をしていても資金繰りに困らない一因は、日本人投資家が(消去法的ながら安定的に)日本国債を買うからです。日本人投資家にとって、為替リスクのない資産の中で最も安全なのが日本国債だからです。この点については、拙稿『日本政府は巨額の財政赤字で破綻? そうならない理由は「国債」にある』を併せてご参照いただければ幸いです。

一方、ギリシャは単一通貨ユーロを用いていますから、ギリシャ人投資家は為替リスクなしにドイツ国債を買うことができます。したがって、ギリシャ国債に対する投資家の需要が安定していないのです。

日本国債の場合は、投資家たちが「他の投資家も為替リスクを嫌って日本国債を買うだろうから、日本政府の資金繰りは大丈夫だろう」と考えて「暗黙のうちにお互いに励まし合う」わけですが、ギリシャの場合には投資家たちの行動が不安定ですから、そうした暗黙の励まし合いは期待できないでしょう。

参考記事

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塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行
おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。
現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。
(近著)
なんだ、そうなのか! 経済入門
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(雑誌寄稿等)
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