年金2,000万円問題を考慮し、退職金を老後の資金として活用する場合、上述の退職金額ですと、ギリギリ足りるか、場合によっては不足する事態にもなりそうです。
どのように退職金を運用すべきか
では、退職金はどのように運用していけば良いのでしょうか。
実際に守っていただきたいことは、2つあります。それは退職金を「複利で運用すること」、
「長期運用をすること」、この2つです。
これは退職金の運用だからというわけではなく、運用を始める若い方も実践すべき鉄則です。
世の中に出回っているおすすめ運用商品は、必ずしも、この2つのルールを念頭に置いて販売されているわけではありません。
例えば、投資信託の場合ですと、毎月分配金を受けとる商品が人気ですが、分配金を定期引き出ししてしまうと、複利の効果を十分に得ることができません。定年前の世代の方には、あまりお勧めできない運用方法です。
複利の効果を得るためには、長期運用を行うことも大事です。長期運用することでリターンが安定してきます。20年、30年、40年と運用期間が長くなるにつれ、リスクが分散されるからです。
これらは、いずれも運用をする際に守るべき最低限のルールです。
資産を増やしていくためには、上記に加え、運用手法に工夫が必要となります。それが次章の4%ルールです。
4%ルールとは
4%ルールとは、1998年に米国のトリニティ大学で発表したされた、資産運用に関する論文(Trinity Study)で提唱されたルールのことを指します。
ルールを考慮に入れた投資のアプローチ詳細は下記の通りです。