多くの小中学校では、1時間目の授業が始まる前の10分から15分程度を「朝の読書タイム」(朝読)としています。また、小学校の低学年向けに保護者有志や地域住民のボランティアが紙芝居や絵本の読み聞かせを行い、子どもと本をつなぐ架け橋として活動している自治体もあります。

朝の読書推進協議会が発表したデータによると、朝の読書タイムを設けている小学校は全国平均で8割(2020年3月2日現在)になることが分かりました。そこではどんな本が読まれているのでしょうか。

低学年では楽しく気軽に読める本が人気

読書というと「じっくり読む」というイメージがありますが、小学校の読書では話の展開が早いものや学習まんがなどが人気です。2018年度に朝の読書として読まれた本(朝の読書推進協議会調べ、株式会社トーハン発表)の小学校の結果を見ると、低学年では「かいけつゾロリ」「おしりたんてい」「ルルとララ」(いずれもシリーズ)などが名を連ねています。

「かいけつゾロリ」シリーズは映画化やアニメ化もされており、男女問わず子どもたちに大人気。主人公のゾロリと仲間のイシシとノシシの3人が繰り広げる珍道中という基本設定は初期から変わらないものの、その時の流行を取り入れたパロディやイラストも子どもを魅了しているようです。

また、学習まんがのジャンルには「科学漫画サバイバルシリーズ」や「どらえもん科学ワールドシリーズ」などがありますが、こうした人気作品は学校の図書室でも争奪戦になるようです。筆者の子どもたちは図書室に行っても棚が空っぽで、滅多に手にすることができないと嘆いていました。読んでいて楽しかったり漫画であっても勉強に役に立つ本を求める子が多いようです。