こうして子どもが本を読む機会を提供している朝の読書タイムですが、やはりその時間にしか読まない子も多いようです。朝読は「本に触れることがない」という状況を避けることにはつながっていますが、普段から読書習慣のある子とない子は学年が上がると顕著になってきます。

筆者の子どもが本を読まない同級生に理由を聞いてみたところ、「借りて家に持って帰るとなくしそうだから」と主張する子もいれば、「学校で読んで家ではゲームやYouTube見るから時間がない」と言う子もいたそうです。

その一方で、友達が読んでいる本を「面白そうだから次借りる」「親が本を読めとうるさいから、楽に読めそうな5分シリーズを買ってもらう」と、朝読が新たな本を読むきっかけとなっている子もいます。

人生を豊かにする読書

現代はスマートフォンを使えば何でも瞬時に分かる時代ですが、断片的な情報が多くなるきらいもあります。そんな中でも、簡単に忘れない知識や教養が身につく読書の価値はむしろ高まってきているのではないでしょうか。

もちろん、読書習慣の有無が直接学力差に影響を与えるとは言い切れません。しかし、自発的に多くの本を読んできた子の方が、問題を読むスピードや語彙力を身につけやすいでしょう。小学校の朝の読書タイムを良い機会とし、親子で図書館や書店に足を運んでお子さんや自分用の本を探してみてはいかがでしょうか。

【参考資料】
2018年度 朝の読書で読まれた本」(朝の読書推進協議会調べ、株式会社トーハン発表)
学校図書調査」(全国学校図書協議会 )
5分シリーズ」(河出書房新社)
5分後に意外な結末シリーズ」(学研)

中山 まち子