率先して育児を行う父親を表す「イクメン」という言葉に対して、どんな印象を抱いていますか?仕事が忙しいなかでも子供と積極的に関わろうと頑張る良きパパ、という意味で使われることの多い「イクメン」。

実は、子育て中の女性の側からは、「嫌悪感を覚える」「表面だけ!」」といった厳しい意見も。

今回は、「自称イクメン夫」や「外ヅラだけ良いパパ」にイラつく女性たちの本音にフォーカスしていきます。その背景にある家事・育児負担の実態や、子育てに非協力的な夫を叩きなおした4人の妻のエピソードもご紹介していきましょう。

結婚・出産を機に差が広がり続ける、男女の家事・育児負担

内閣府が公表している令和2年(2020年)版「男女共同参画白書」では、男女の1日当たりの家事時間は「単独世帯」でほとんど差がないにもかかわらず、結婚して「夫婦のみ世帯」になると女性が男性の2.6倍、「夫婦+就学前の子ども世帯」になると男性の2.8倍と、結婚・出産を機に女性の負担が増大し続ける実態が示されています。

また、育児には「夫婦+就学前の子ども世帯」の女性が男性の2.1倍、さらに「子が中学生になるまでの世帯」を含めると、働いている妻たちは「仕事のある日」でも男性の2.1~2.7倍の時間をかけています。無職の妻の場合、就労している妻の「仕事のない日」よりさらに約2時間長く育児に携わっていることが分かりました。

「イクメン」という言葉が生まれて久しいものの、実態としては、相変わらず家事・育児の主たる担い手は妻たちであり、共働き世帯の増加も相まって、仕事に追われながら家のことをこなさなければならない女性たちに負担が大きくのしかかっています。

そんな状況だからこそ、常々「もっと育児に協力的になってもらいたい」と感じている自分の夫が「イクメン」扱いされているのを見て、イラっとしてしまう妻たちがいるのも無理はないのかもしれません。