為替ヘッジにはコストがかかりますが、足元では年0.5%程度とわずかです(コストは変動する)。一般的なアクティブファンドの信託報酬より低くなっています。それほど気にする水準ではありません。

つみたて投資家の場合、毎月数万円程度運用する方がほとんどです。たとえば10年間つみたてを続けると、購入回数は120回になります。基準価額変動リスク、タイミングリスク、為替リスク等が120回も分散され、少なくとも基準価額は平準化されるわけです。

そのなかで、為替変動リスクだけを取り出してヘッジしたところで、おそらく運用成果にはほとんど影響が出ないのではないかと考えています。

為替ヘッジコストが年間5%くらいあって、常に円高傾向でファンドのリターン要因にマイナスの影響が出ていた一昔前なら、コストを払ってでもヘッジをしたほうがよかったかもしれません。

しかし、筆者は為替ヘッジのない米国株ファンドでつみたて投資をしていますが、ここ数年は円高で目立つ評価損を計上した記憶はありません。むしろ、個人投資家の投資資金は自己資金であり、機関投資家よりもリスク許容度は大きいはずですので、たとえ円高で評価損を計上してもトータルリターンがプラスであれば、問題はないでしょう。

リターンの極大化を図るなら為替ヘッジは不要

まとめますと、日本から海外投資をする限り、為替リスクを100%避けることはできません。公的年金の積立金でさえ為替ヘッジ付き債券を除くと外国資産部分では為替ヘッジしていないのが実態です。

今は金利が消えた時代です。先進国の金利差はほとんどなく、金利差による為替変動要因が希薄化しています。毎月少額のつみたて投資において、将来のリターンを極大化するためには、為替リスクも取りに行く投資戦略を検討せざるをえないのです。

参考:過去10年の日米短期金利推移 (単位:%)

太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)