投資信託で「つみたて投資」するなら「為替ヘッジなし」でいい理由

為替変動リスクを避けるためには為替ヘッジが必要と言われます。確かにその通りなのですが、今回は個人投資家が「つみたて投資」をする場合、本当に為替ヘッジが必要かどうか考えてみたいと思います。

為替ヘッジで為替変動リスクを回避するのは定石

投資信託であれ外国株式であれ、海外投資とは外貨建てで取引されている資産に投資することです。たとえば、米国株、米国債、米国不動産などの海外資産への投資ですね。日本で取引するかどうかは問題ではなく、投資対象が外貨建てで取引されているかどうかがポイントです。

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国内公募投資信託はすべて円建てで取引されます。ところが、その投資信託を通じて外国株や外国債券に投資されている場合、基準価額が円建てであっても外貨建資産を保有していることに変わりはありません。

円ベースでリターンを確定するには、外貨建資産売却時に外貨を売って円に戻すしかありません。それは、為替ヘッジしようが、売却時の為替レートで円を買い戻そうが、経済行為としては同じです(結果は異なる)。

個人が為替ヘッジできる金融商品は投資信託だけ

さて、この為替ヘッジ取引ですが、一般の個人投資家が銀行と相対取引で為替ヘッジ取引をすることはできません。銀行間市場での外国為替取引の単位は最低100万ドル(≒1億円)、かつ相対通貨を受け渡す際のリスクがありますから、事実上個人が為替ヘッジ取引をすることはできないのです。

個人でも高額の外貨建資産を購入するのは可能ですが、為替ヘッジが必要であれば、選択肢は為替ヘッジ付き投資信託に限られます。であれば、外貨建資産を保有するなら為替ヘッジをして為替リスクを回避しておけばいいという考え方に落ち着きがちです。

しかし筆者はこの点で、為替ヘッジする必要があるどうかにかなり懐疑的です。

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太田 創
  • 太田 創
  • 一般社団法人日本つみたて投資協会
  • 代表理事

関西学院大学卒。1985年、三菱銀行入行。1988年より約10年間、ロンドンおよびサンパウロで資金為替・デリバティブ等の運用、投資信託の管理業務に携わる。
その後、2000年からシティグループ(米)、UBS(スイス)、フィデリティ(米)、GCIにおいて投資信託のマーケティング・商品企画を統括。現在は一般社団法人日本つみたて投資協会・代表理事。
主要な著書には、『ETF投資入門 』(日経BP 2008年)、『お金持ち入門』(実業之日本社 2015年 共著)、『毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資』(かんき出版 2019年)などがある。