コロナ禍で明るい話題が少なかった2020年。そんななか、将棋界は藤井聡太二冠をはじめとする棋士たちの活躍でワクワクするニュースが非常に多かった感があります。
将棋は手軽に始められて、老若男女問わず楽しめる趣味の一つといえるでしょう。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大で、屋外でのレジャーを控える動きがある中、「子どもや孫と将棋盤を囲めたら嬉しいなぁ」なんて感じているお父さん、おじいちゃんは少なくないのでは?
今回は、小学生時代に将棋に明け暮れた息子を持つ母親の視点から、将棋が子どもの成長に与える影響をお話していきます。駒の動きが分からないママや、漢字が読めない小さいお子さんも将棋に親しめる、オススメの「駒&盤」についてもご紹介していきます。
子どもは将棋から何を学ぶ?
「将棋が強い子は頭が良さそう!」「うちの子もプロ棋士になれるかも?」なんて漠然としたイメージを持っているママ・パパもいらっしゃるでしょう。
前者については、正直、「個人差が大きい」です。そして、後者に関していうと、将棋のプロ棋士になれるのは、養成機関である奨励会の三段リーグを勝ち抜いた年間たった4人。非常に狭き門です。
さて、子どもが将棋を通じて身につけられることって、どんなことでしょう。礼儀・集中力・思考力、といったことはよく聞くかもしれません。ここでは、筆者が実感したことを3つに絞ってお伝えしていきたいと思います。
いずれも棋力以上に、子どもが成長していく上で大切なことです。
(※)棋力:将棋の強さをこう呼びます。
① 物を大切にする心
将棋の駒って、全部で何枚かご存じでしょうか?
敵と自分の駒を合わせて全部で「40枚」です。このうち1枚をなくしただけでも、将棋はできません。対局が終わって、駒を駒袋や駒箱にしまうときには、「歩が18枚…」「金が4枚…」などと、すべての駒の種類と数を確認しながら丁寧にしまっていきます。
部屋やテーブルの上が片付いていないと、うっかり駒を落としてしまったときに見つりにくくなるという困ったことになるのです。
遊んだ後のおもちゃを片付けなかった男の子が、将棋を好きになったことがきっかけで、身の回りの整理整頓をするようになった、持ち物を大切に扱うようになった、なんて話はよく聞きます。
② 「自己責任」の意識
将棋では、一手一手を決めるのは自分自身。すべてが自己責任です。対局中、周囲がヒントや助け舟を出すことはできません。そして、勝っても負けても、それは自分の指し手が生んだ結果。
うまくいかなかった理由を、冷静に振り返ることができるスキルは、勉強・仕事など、長い人生で必ず役に立ちます。