「さすがにこれでは老後が不安だと、40代でパートの仕事を始めた。けれど、貯金の足しになるほどにはならず、奨学金の返済で消えてしまう。夫の収入で生活費を賄い、老後資金の貯金をしているけれど、もう60代に突入してしまって不安」と悩んでいました。
大学進学にはお金がかかります。奨学金を学費の足しにしたとしても、実家を離れて暮らす子どもに仕送りをして、卒業後は奨学金を親が返済するとなると、生活にゆとりが持てないだろうということは想像に難くありません。
おわりに
子どもに負担をかけたくない、負債を負わせたくないと思うのは親心かもしれませんが、子どもも自分が学んで人生を切り拓くために大学進学を決めるのですから、少しは負担してもいいはずです。また、親の老後資金が十分に貯まっていないと、将来の暮らしや介護などで子どもたちにツケが回ることにもなりかねません。
であれば、「教育資金として出せるのはここまで」という線引きをして、子どもたちに「それでもいいからこの私立大学に進学したい」とか「出してもらえる教育資金の範囲内で納めたいから公立の大学へ行く」といった選択をしてもらうのも一つの手なのではないでしょうか。
大塚 ちえ