物の貸し借りもしかり。相手の都合を考えず、自分のタイミングのみで「貸して」と言ってもOK、いわば「言ったもん勝ち」がまかり通る…これだとあまりにも言われたほうにとって理不尽です。

「悪いことをしたら謝りましょう」「誰かに物を借りるときは『貸して』と言いましょう」

こう教えるのは当然です。しかし、その後に続けるべきは「謝られたら許しましょう」「貸してと言われたら貸してあげましょう」ではなく、「謝っても許されないことがある、と覚えておきましょう」「貸してと言ったからといって、絶対に貸してもらえるとは限りません」なのではないでしょうか。

まとめ

小さな子供の「貸して」「いいよ」、「ごめんなさい」「いいよ」は、一見とても和やかで微笑ましい風景ではあります。しかし、だからといってそれをセットにして押し付けるように教育するのはいかがなものでしょう。

「貸さなければいけない」「許さなければいけない」と子供を追い詰めてしまっているのではないか…と筆者は危惧することがあります。

もちろん、「いいよ」の精神は大切ですが、それ以上に「嫌なら嫌」と言うことも必要だ…ということを子供たちに教えてあげるべきではないでしょうか。

大中 千景