相手が口々に「ごめんなさい」「反省しています」と口に出しても決して顔をあげません。

このままではらちが明かないと思ったのか、担任の先生が「ほら、彼女たちも反省していることだし…」と口にした瞬間、Sちゃんは突然顔を上げ、大きな声でこう言いました。

「ごめんなさい、って言われたら絶対許さなきゃいけないんですか? 私はまだすごく嫌な気分です。許したくないです!」

Sちゃんの言葉を聞いたSちゃんの両親は静かにこう言いました。

「彼女たちが謝罪した事実は認めます。しかし、だからといって今までの行いを水に流せるか…それは別問題です」

教え方の順序を誤らないように

「お友達に物を借りるときは『貸して』と言いましょう」とセットで教えがちなのが「『貸して』と言われたら貸してあげましょう」。

「悪いことをしたら『ごめんなさい』と謝りましょう」とセットで教わるのが「謝られたら許しましょう」。

そして、いつの間にかこれが子供たちの間での「暗黙のルール」となる…。これは非常に危険なことなのかもしれません。「何をしても謝ったら許してもらえる」と思ってしまうと「謝ること」に甘えてしまい、「なぜ謝らなければいけないのか」というところに考えが及ばなくなってしまいます。