コロナ不況といわれる中でも、中・高所得国では家を買う人が増えたり、住宅価格や土地価格が上昇したり、高額な車が売れるといった傾向がみられるようです。
持つ人と失う人。中・高所得国ではコロナ不況によって中間層内で格差が生み出されています。今回はその実態について見ていきます。
在宅ワークが住居の選択肢を広げる
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、アメリカの7月の中古住宅(戸建て)販売件数(季節調整済み年率)は前月比24.7%増の586万戸だ、と全米不動産業者協会が発表したということです。これは2006年以来の高水準だそうです(※1)。
需要が増えていると同時に、中・高所得国の多くでは2020年4~6月期には住宅価格も上昇しました(※2)。
日本では、国土交通省がまとめた7月1日時点での「令和2年 都道府県地価調査」によると、全体的には2019年を0.6%程下回っているものの、沖縄の宮古島や北海道のニセコ地区などでは「商業地」、「住宅地」ともに約30%~40%近く上昇、東京23区の「住宅地」も1.4%上昇しているということです(※3)。
どの国でも、こういったトレンドの背景には在宅勤務や自粛など自宅で過ごす時間が長くなり、住まいのスペースや生活環境を今まで以上に重要視するようになっているのはいうまでもありません。
在宅勤務が新しい働き方として定着しつつある企業に勤めていれば、今まで通勤を考えて都市部の小さなスペースに住んでいた人が、週1、2程度の通勤なら、少し離れた郊外に在宅ワークのスペースもとれる広めの戸建住宅を購入しようと考えるのも納得できます。
また完全な在宅勤務が出来るのなら、いっそのこと沖縄などのリゾート地に移住するなど、住む場所の選択肢も広がっていることもみられます。