「我が子ともっと話したい」と望んでいたり、「共有したい話があるのに、話しかけても無視される」と悲しい思いをしている親御さんは少なくないかもしれません。ただ、子供にとっては、たとえ親であっても自分の「パーソナルスペース」に侵入されると不快に感じて無意識に心を閉ざしてしまいます。
今回は、この「パーソナルスペース」について、また、思春期という子供から大人へ変わる微妙な時期にある10代が嫌がる距離感や受け入れやすい親の態度はどんなものか、自分も10代後半である筆者が紹介したいと思います。
パーソナルスペースとは
パーソナルスペースとは、対人距離とも呼ばれ、「他人が自分に近づいても許せる範囲」のことを指します。一般的には、米ノースウェスタン大学の人類学科名誉教授であるエドワード・T・ホール氏が提唱した以下の範囲で示されることが多いようです。
1. 密接な距離の場合…約45cm以下
具体的には、積極的にスキンシップをとりたいと感じる家族や恋人などとの距離
2. 個体距離の場合…約45cm以上1.2m以下
具体的には、相手の表情がしっかりと見え、手が触れるなどしても許せる友人や近しい知人などとの距離
3. 社会的な距離の場合…1.2m以上3.5m以下
具体的には、デスクや会議用テーブルなどを挟んで会議をするなど、職場の同僚や上司、取引先の人との距離
4. 公共距離の場合…3.5m以上
具体的には、講演会や授業などで講師と生徒といった公的関係にある人との距離