新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が拡大する中、全国で一斉に休校措置がとられたのが3月初頭。地域や市区町村によっては新年度に入ってからも休校期間が延長されるなど、子供たちの学校生活は大きな影響を受けました。
半年が過ぎた今、保護者たちが主体となって行うPTA活動の形も変化を迫られています。コロナ禍がPTA活動に及ぼしている影響と、現場の保護者たちの声をご紹介しましょう。
中止、縮小…PTA活動の中でコロナの影響を大きく受けたのは?
一般社団法人「東京都小学校PTA協議会」が2020年6月に実施した緊急アンケート『withコロナのPTAどう活動しますか』には、都内の208校と4連合会が回答を寄せています。
結果は、2020年度のPTA活動の中でも「児童の安全に関すること」「PTAの広報活動」「学校行事のサポート」については例年通り、あるいは規模を縮小したりweb等を活用したりと形を変えて実施した、という回答が多くを占めました。
一方で、「教員や保護者の親睦・スポーツ」や「子供向けのイベント」は中止した学校がいずれも3割を超える結果となっています。
また、「新しく始めた取り組みの有無」を尋ねた設問では、全体の76.3%が「あり」と答えており、具体的には「オンライン会議」が最も多く59.5%、次いで「メール配信」が36.1%でした。「配布書類のデジタル化」は29.1%の学校がコロナ禍を機に始めたと回答しています。
先が読めない状況に悩む保護者たち、引継ぎも困難に
アンケートでは、PTA活動において現在困っていること・悩んでいることとして「先が読めない」(70.0%)、「集まれない」(64.3%)といった保護者たちの声が挙げられました。また、「PTAのネット環境」(37.7%)、「PTAで利用できるIT機器がない」(20.8%)など、会議や広報活動をオンラインで実施したくても、学校によっては難しい場合もあるようです。
また、3月初めの一斉休校措置によって新旧役員や係の引継ぎ・話し合いの場が持てず、新体制への移行がうまくいかないなど、年度をまたぐ時期ならではの問題に直面した人たちもいました。
今年度、新たにPTA役員に就いたAさんは、出席する保護者んたちの予定を調整して準備をすすめてきた引継ぎ会が延期になり、その後も二転三転する状況に翻弄されて大変な苦労をしたそうです。
「一度に集まる人数を制限するなどの感染対策をとりながら、年度末のギリギリになってなんとか引継ぎを終えました。これでようやく新体制のスタートを切れる…と思いきや、一斉休校期間中ということで、親子で帰省しているお宅も多くて…。
事前に配布した連絡用の一斉メールも届かなかったり返信がなかったりと、運営がままならない状況が続きました。結局、本格的にスタートできたのは学校再開後でしたね」
「活動の縮小にメリットを感じた」という声も
関連行事がいつ中止や延期となるか分からない中、PTA執行部は例年以上に緊張感のある運営を求められている模様。Aさんのような困惑や不安を抱える役員さんも多いと思われます。
一方で、コロナ禍でPTA活動が縮小したことで、かえって良かったと思う点もあった、という声も聞かれました。
子供の通う学校の行事が大幅にカットされたというBさんは、思い出づくりの場が減って寂しがる子供たちのことを思うと残念な気持ちもあるものの、親が主体となるものに関しては、中止による支障を感じていないといいます。
「例年なら春先に開かれるPTA総会がなくなりましたが、正直なところ、影響はまったくありません。
総会で出されるPTA案に反対する人は普段からほぼゼロですし、たとえいたところで、案によほどの欠陥が認められない限り議決されないなんてことはないですから。
それに、役員以外の人たちの大半は『自分がやりたくない役員を務めてくれている人たちなんだから協力しなくちゃ』という気持ちで参加しているので、むしろ来年以降も『こちらで決定しました』の通知だけでいいんじゃないかなと思います」
コロナ禍での制限を受け、例年通りにできないことが多い中で、PTA活動そのものの在り方を見直すきっかけになったり、これまでとは違ったやり方でよりコンパクトな運営ができるようになったりと、メリットを感じているところも少なからずあるようです。
さいごに
今後も引き続きPTAには、変化する状況に応じて臨機応変な対応が求められることと思われます。役員や係の人を中心に、工夫をこらしたり新たな様式を取り入れたりしながら、「withコロナ」のPTA活動をより良いものにしていけたらいいですね。
【参考】
「withコロナのPTAどう活動しますか?」緊急アンケート結果報告 一般社団法人 東京都小学校PTA協議会
犬養 のぞみ