資格取得やスキルアップのために勉強する社会人なら、限られた時間の中でできるだけ効率良く勉強したいですよね。
「暗記のコツや良い方法を身につけたい」
「記憶力を良くしたい」
きっとこう感じる人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、人の記憶について研究した「エビングハウスの忘却曲線」を紹介します。この考え方を知れば最適な復習のタイミングが分かり、学んだ内容を定着させることも可能です。せっかくの努力をムダにしないために、ぜひ取り入れてみてください。
エビングハウスの忘却曲線とは
「エビングハウスの忘却曲線」とは、19世紀ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが記憶に関する研究を行い、その結果をグラフに表したものです。
具体的には、意味を持たない「子音・母音・子音」の綴り(rit, pek, tasなど)を被験者に暗記させ、再び覚え直すためにかかった時間から「節約率」を算出しました。
「節約率」とは、一定時間が経った後、もう一度覚えるのにどれだけ時間・回数を短縮(節約)できたかを指すものです。実験結果は以下のようになりました。
- 20分後・・・節約率は58%
- 1時間後・・・節約率は44%
- 9時間後・・・節約率は35%
- 1日後・・・節約率は34%
- 2日後・・・節約率は27%
- 6日後・・・節約率は25%
- 31日後・・・節約率は21%
つまり、記憶してからの時間が短いほど、節約率が高い=少ない労力で記憶を取り戻せたというわけです。
この研究から分かるのは、人は一度記憶をしても短時間で忘れてしまい、1日経つとまた覚え直すには大きな労力がかかるということです。一方、それ以降はあまり急激な変化はありません。記憶を保つには、覚えてから1日の間が勝負だといえます。
誰でも忘れるのは当たり前ですが、こういった記憶のメカニズムを活用すれば、効率的に学ぶことができるでしょう。