基本的に部屋にこもって仕事をしていた夫。Aさんは以前と同じように過ごしていただけなのに、なぜか夫はイラつきの矛先をAさんに向けるようになっていきました。

「オンラインでの会議も多く、息子が大声を出さないようにと一応気は遣っていたんです。でもある日、夫から『日中家にいるのやめてくれない?』と言い放たれて…。どうやら、私と息子の気配があると仕事に集中できないらしく、仕事中はできるだけ外出してほしいと言ってきたんです」

夫の一言によって、これまでのような親子での居場所がなくなってしまいました。

夫と話し合うことを決意

仕事の邪魔になるから仕方ない。一度はそう思ったAさんでしたが、何度考えても納得がいかず、直接、夫と話し合うことにしました。夫にとって「生活をする場所兼仕事場」となった自宅は、Aさんと子どもにとっての「生活をする場所」でもあります。

「できれば外出を控えたいコロナ禍の中、私と子どもだって極力自宅で過ごしたいんです。それなのに『日中は外出して』と言われてしまい途方に暮れてしまいましたが、思い切って自分の考えを夫にぶつけることにしてみたんです」

Aさんは、夫に「ケンカをしたいわけではない」と前置きをしてから話しはじめたそう。

「まず『なぜ、私たちは家にいたらダメなのか』を聞いてみました。すると夫から返ってきたのは、『一人で集中したいから』という答え。仕事が大変なのはよくわかるし、私もできるだけ夫が集中できる環境をつくってあげたいとは思っています。でも、一人で集中したいからと私たちを家から追い出すのは、少し違うんじゃないかなと思い『じゃあ私たちの居場所はどこにあるの?』と少し意地悪な質問をしてみたんです」