株式市場の振り返り-イベントを控えた薄商いの中、大きな見せ場もなく小幅反落

2016年8月25日(木)の東京株式市場は反落となりました。日経平均株価は前日比▲0.3%の下落、TOPIXも▲0.2%の下落で引けています。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数も▲0.5%の下落となりました。

日経平均株価は、前日比▲17円安で寄り付いた後、すぐに下げ幅を拡大して一時▲76円安まで下落しました。ただ、その後は切り返して、後場の開始直後には一瞬ですが+31円高まで上昇する場面がありました。しかし、すぐに再びマイナスに転じ、結局、大引けは▲41円安の16,555円で終わっています。非常に狭い価格レンジ内でしたが、値動きがやや粗い展開だったと言えます。

東証1部で上昇したのは916銘柄、値下がり889銘柄、変わらず168銘柄でした。東証1部の出来高は13億4,919万株、売買代金は1兆7,121億円(概算)となっています。前日同様に様子見スタンスが強い薄商いとなりました。

セクター動向と主要銘柄の動き-11業種が上昇、金融関連と輸出関連に買いが集まる

東証1部で上昇したのは11業種、下落したのは22業種でした。上昇率の上位には、銀行を始めとする金融関連、輸送機器などの輸出関連などが目立ちました。他方、下落率の大きい業種には、内需関連、原油価格関連、素材関連が名を連ねています。全体的には大きな騰落を示した業種はなかったようです。

個別銘柄では、大きな値動きが少なかった中、村田製作所(6981)が大幅上昇となり、TDK(6762)やアルプス電気(6770)などの電子部品株も値を上げました。前日急落したニトリホールディングス(9843)は大幅反発となりましたが、しまむら(8227)は僅かな反発に止まっています。その他の主力株ではソフトバンクグループ(9984)が堅調でした。一方、信越化学工業(4063)、セブン&アイ・ホールディングス(3382)、三菱電機(6503)などの主力株が下落し、小野薬品工業(4528)も値を下げています。

東証マザーズ市場の動き-総合指数は小幅反落、後場に入って下げ足を強める

東証マザーズ総合指数は、前場は前日終値を挟んだ攻防となりましたが、後場に入ってから一気に下げ足を強めた結果、盛り返すことなく反落となりました。終値では900ポイントは堅持しています。出来高は4,736万株、売買代金は610億円となり、いずれも前日から減少しました。水準的にはかなり厳しい薄商いです。なお、騰落状況は、値上がり89銘柄、値下がりは121銘柄、変わらず11銘柄となっています。閑散相場を打破するような、物色テーマや材料が欲しいところです。

個別銘柄では、そーせいグループ(4565)が大幅下落となったのを始め、医療バイオ関連銘柄は軒並み値を下げました。一方、米国投資情報会社(空売りファンド)の売り推奨レポートが公表されて以降、株価の下落基調が続いていたCYBERDYNE(7779)は+5%超の大幅上昇となる続伸となりました。株価は一旦下げ止まったと見てよさそうです。なお、前日にストップ高となったALBERT(3906)とエナリス(6079)はともに反落となりました。薄商いの中、全体的に大きな動きを示した銘柄は少なかったようです。

本日(8月26日)の注目点-ジャクソンホール会議を控えて様子見に徹することが重要となる

26日(現地時間)のジャクソンホール会議を控えて、25日はやや揺さ振りがあったものの、総じて静かな値動きとなりました。ただ、26日(金)は一昨日のように、この1週間で何度か見られた揺さ振りが仕掛けられる可能性があります。本格的に相場が動き出すのは来週以降になりますから、26日は無理をせずに様子見に徹することが得策です。「休むも相場」と言いますが、それを実践する日と言えましょう。

ただし、休むと言っても、週明けから相場が動き出す可能性がありますので、準備は必要です。特に、為替相場が動く可能性がありますから、円高に振れた場合、及び、円安に振れた場合でのシナリオを用意しておくべきです。巷では、円高が進行すると主張する人、円安に反転すると主張する人、意見は様々なようですが、ハッキリ言って、誰にも予想できないと考えていいでしょう。

青山 諭志