遺言書の作成
相続に自分の意思を反映させたい場合は遺言書を作成しましょう。とくに、何らかの事情により法定相続人以外の人に財産を渡したい場合は必須です。
遺言書は規定の様式通りに書く必要があり、不備があると無効になります。録音テープや動画はすべて無効ですし、原則的にメールも無効です。
代表的な遺言書にはと「遺言公正証書」と「自筆証書遺言」があります。(※4)
(※4)「遺言は、どのような手続きでするのですか?」 日本公証人連合会
「遺言公正証書」
公証役場に作成を依頼します。手数料はかかりますが、形式面での不備が少ないため、遺言としての信頼性は高いものとなります。公証役場で原本が保管されるため紛失の恐れもなく、最も確実です。
「自筆証書遺言」
自筆で作成するため、手数料はかかりません。他人に内容を知られる必要がない点がメリットです。2019年1月からは一部パソコン使用が可能となり、作成のハードルが少し下がりました。さらに、2020年7月10日からは、法務局で保管が可能になったため、紛失や死後発見されないなどの心配がなくなりました。
先に述べた遺言公正証書と異なるのは、死後発見された遺言書は家庭裁判所で「検認(遺言書を確認・調査する手続き)」を受ける必要がある点です。また、「作成日の記載漏れ」「自筆すべき箇所をパソコンで作成した」など、様式面での条件を満たしていなかったときは、遺言としては失効となります。
「遺言公正証書」「自筆証書遺言」ともに、認知症を発症するなど、判断能力が低下した状態で書かれた遺言書は、のちのちトラブルの原因になりやすいです。ぜひ、元気なうちに用意しておくことをおすすめします。