新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、外出を自粛する人、テレワークで働く人などが増えて、必然的に家族と自宅で過ごす「おうち時間」が長くなりました。

一緒に居る時間が増えることは、それぞれの家庭にどのような影響を与えたのでしょうか?今回は、特に60~70代のシニア夫婦に注目して、コロナ禍で夫婦仲がどう変化したのか、その実態と夫婦それぞれの本音をみていきましょう。

仲良し夫婦はより仲良しに、不仲夫婦の関係はさらに悪化…

女性誌『ハルメク』を発行する「株式会社ハルメク」の生き方上手研究所が60~79歳の既婚男女600人を対象に行った「シニア男女に聞いた『夫婦関係と生活に関する意識調査』」の結果からは、コロナ騒動による夫婦関係の変化に対する認識が《日頃から仲良しの夫婦》と《不仲の夫婦》で大きく異なっていることが分かります。

コロナ騒動後に夫婦関係が「良くなった」と回答

仲良し夫婦…9.0%
不仲夫婦…0%

コロナ騒動後に夫婦関係が「悪くなった」と回答

仲良し夫婦…0.9%
不仲夫婦…18.8%

特に、コロナ禍で「夫婦関係が悪化した」と考える人が仲良し夫婦では1%にも満たないのに対して、不仲夫婦では18.8%を占めており、もともとあまり良好ではなかった夫婦仲がこの非常事態でさらに悪化しているようです。

「関係が悪くなった」背景には、外出の自粛や働き方の変化によって自分一人だけの時間が減ってしまったことや、在宅にもかかわらず家事に非協力的なパートナーへの不満を募らせるうちに二人の間の溝がより深まってしまうという実態があります。

外出自粛中、夫婦関係が悪くなった背景や理由

  • 「在宅勤務で配偶者と接する機会が長くなった」(60代男性)
  • 「お互いに顔を合わす時間が増えた」(70代男性)
  • 「毎日同じ部屋に一緒にいるため、一人になれる時間がない」(60代女性)
  • 「夫が自宅にいる時間が増えたのに、家庭のことは何もしないで寝てばかり」(60代女性)

「夫がコロナで仕事をやめたので毎日朝昼晩ご飯を作るようになった。食事の支度・片づけ・献立決めにもう、ぐったり。自分の時間がなく疲れ切ってしまった」(60代女性)