ところで、携帯料金は本当に高いのか?

今回を含め3度にわたる携帯通信株クラッシュですが、引き鉄になっているのは“携帯料金は高い”、“携帯料金は引き下げ余地が大きい”ということです。そもそも論として、これは本当に正しいのでしょうか?

そこで、せっかくの機会ですから、総務省による「家計世帯における電話通信料(年間)」の推移を見てみましょう。カッコ内は固定電話通信料、移動携帯通信料の内訳で、最後は世帯消費支出に占める割合(%)です。

  • 2003年:104,904円(45,640円、 59,264円)、3.28%
  • 2008年:110,971円(33,212円、 77,759円)、3.54%
  • 2013年:112,453円(29,354円、 83,099円)、3.72%
  • 2015年:117,720円(26,414円、 91,306円)、3.97%
  • 2016年:120,392円(24,086円、 96,306円)、4.14%
  • 2017年:122,207円(21,957円、100,250円)、4.18%
  • 2018年:122,624円(19,281円、103,343円)、4.15%
  • 2019年:122,741円(19,275円、103,466円)、4.10%

この数字を見る限りですが、家計における通信電話料の負担は、携帯料金を中心に依然として重いことがわかります。

ただ、2017年以降は高止まり傾向にあり、右肩上がりの増加ペースも一段落という感がなくもありません。また、世帯消費支出に占める割合も若干ながら低下し始めています。

この変化が、過去2度(2015年9月、2018年8月)の政府閣僚発言、及び、その後の政策実施の効果なのかどうかは判断できませんが、何らかのインパクトはあったと見ていいでしょう。

今回の菅政権発足による新たな引下げ策実施、とりわけ、総務相発言「1割程度(の引下げ)では改革にはならない」が今後の料金へ具体的にどの程度効果があるのかを見極める必要があるでしょう。