株式市場の振り返り-またしても後場に様相が一変して小幅反落、新興市場は反発
2016年8月23日(火)の東京株式市場は反落となりました。日経平均株価は前日比▲0.6%の下落、TOPIXも▲0.5%の下落で引けています。いずれも3日ぶりの反落です。一方、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は+0.8%上昇して反発となりました。
日経平均株価は、前日比▲48円安で寄り付いた後、前場は一進一退の静かな動きに終始しました。しかし、後場に入るとまたしても様相が一変します。開始間もなく一時+65円高まで上昇すると、そこから一気に▲146円安に下落する粗い値動きとなりました。大引けに掛けてやや盛り返したものの、結局▲100円安の16,497円で終わっています。
東証1部で上昇したのは657銘柄、値下がり1,196銘柄、変わらず120銘柄でした。東証1部の出来高は15億8,254万株、売買代金は1兆8,181億円(概算)となっています。終わってみれば、前日同様の薄商いでした。
セクター動向と主要銘柄の動き-11業種が上昇、内需関連とディフェンシブに買いが集まる
東証1部で上昇したのは11業種、下落したのは22業種でした。上昇率の上位には、内需関連とディフェンシブ業種が見事に並びました。他方、下落率の大きい業種には、金融関連と原油価格下落に伴う関連業種が並んでいます。逆に、主力セクターの騰落は小幅に止まっていると言えます。
個別銘柄では、日東電工(6988)とTDK(6762)がいずれも▲3%超の大幅安となり、村田製作所(6981)やアルプス電気(6770)も値を下げるなど、電機株の一角に不振が目立ちました。また、日立建機(6305)も大幅下落となり、コマツ(6301)も冴えない動きでした。一方、小売株に上昇が目立っており、ファミリーマート(8028)が年初来高値を更新し、ニトリホールディングス(9843)や良品計画(7453)も大きく値を上げています。また、三井不動産(8801)など不動産株も上昇して終わりました。
東証マザーズ市場の動き-医療バイオ関連銘柄が上昇して総合指数は反発
東証マザーズ総合指数は、寄り付き直後はマイナス圏に沈み、一時は900ポイントを割り込む場面がありました。しかし、その直後から切り返し、場中を通してプラス圏で推移して終わっています。ただ、力強い反発と言うには程遠い状況でした。出来高は前日より大幅減少となる5,212万株でしたが、値嵩株の売買が多かったため、売買代金は少し増加して735億円でした。なお、騰落状況は、値上がり99銘柄、値下がりは108銘柄、変わらず15銘柄となっています。
個別銘柄では、そーせいグループ(4565)とグリーンペプタイド(4594)がいずれも+3%超の上昇となり、サンバイオ(4592)やナノキャリア(4571)など、医療バイオ関連銘柄は総じて値を上げました。一方、米国投資情報会社(空売りファンド)の売り推奨レポートが公表されて以降、株価下落が続くCYBERDYNE(7779)は▲1%超の下落となる6日続落で終わっています。まだ、下げ止まる気配は見られないようです。なお、前日大幅下落となったミクシィ(2121)も小幅続落となりました。全体的には、新興市場らしからぬ静かな値動きに終始したと言えます。
本日(8月24日)の注目点-取引時間中の激しい値動きには付いて行かない
お盆休みもリオ五輪も終わった23日は、またしても後場に様相が一変しました。短時間における激しい値動きは、結果的に出来高が膨らんでいなかったことから考えても、揺さ振りが仕掛けられたと考えていいでしょう。26日(現地時間)のジャクソンホール会議を睨んだ動きの一つですが、昨日もここで言った通り、今週一杯は同じような動きが出て来る可能性が高いと言えます。
こうした状況ですから、特定の業種にフォーカスせずに、出遅れ感の強い好業績銘柄の下値を拾うことが得策と考えられます。ここ数日は内需関連が上昇していますが、輸出関連も含めた外需関連銘柄にも目を向けたいところです。いずれにせよ、重要なことは、取引時間中の激しい値動きに付いて行かないことです。
青山 諭志