8月末の株主優待銘柄に今年からコメダが加わる

リオオリンピック、高校野球などが終わり、夏も終わりに近づいてきました。秋の足音を聞く前に1つ忘れてはならないのは、株主優待をゲットすることではないでしょうか。

8月の株主優待銘柄で人気上位の定番はイオン(8267)、吉野家ホールディングス(9861)、ビックカメラ(3048)、クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)、J.フロント リテイリング(3086)、サイゼリヤ(7581)、西松屋チェーン(7545)などが挙げられます。

ここに、今年から新しい銘柄が加わりました。6月29日に東証1部に上場したコメダホールディングス(3543)です。

コメダホールディングスは、主に「珈琲所 コメダ珈琲」をフランチャイズチェーン(FC)で全国展開しています。コーヒー好きであれば、ファンの方も多いことでしょう。少しでもお得にコメダ珈琲を利用するために、株主優待を検討なさってはいかがでしょうか。

株主優待内容は1,200円相当・6か月有効の自社電子マネー

コメダホールディングスは2月が本決算ですので、8月は中間決算の時期にあたります。株主優待を受けるには、100株保有する必要がありますので、2016年8月22日の終値1,849円を基に計算すると184,900円の投資が必要になります。

すると、「KOMECA(コメカ)」と呼ばれる同社の直営店・FC店で利用できるプリペイドカードが送られ、(少し待つことになりますが)12月下旬頃に1,200円分がチャージされます。これをお店で飲食時に利用できるのです。この1,200円は半年分です。2月末に株主であれば、さらに半年分1,200円がチャージされます。

年間2,400円の株主優待ですので、投資額184,900円に対して約1.3%のリターンになります。KOMECAは現金によるチャージが必要になりますが、小銭の用意が不要になり、ポイントも貯まるためコメダファンには便利なカードと思います。

8月26日(金)までに100株以上買い付ける約定をする

次に、8月末にコメダの株主になるにはどうすればいいのか、確認しておきましょう。8月末の株主名簿にみなさんのお名前が記載されていないとなりません。

既にコメダ株を持っている方はそのまま保有していれば結構です。これから買うという方は、実は8月26日(金)までに証券会社を通じて買い付けを済ませなければなりません。これは株券の受け渡し(株主名簿への記載)が完了するのが約定日(株式の買い注文や売り注文が成立した日)の3営業日後だからです

注:株式を売買するには証券口座を持っていることが必要です。口座開設から取引開始までには通常4~7営業日かかります。口座開設について詳しくはこちらから

そのままコメダ株を持ち続けるか、いったん売却するべきか?

さて、8月末に株主名簿に記載された後、コメダ株をどうすればいいでしょうか。

コメダのファンの方で、短期的な株価の変動が気にならず長期的な成長を期待する方は、そのまま保有するのがよいでしょう。

ただし、8月29日(月)に売却の約定をしてしまっても、8月末の株主名簿には記載されますので株主優待はしっかり受け取れます。次の2月の株主優待を受けるためには、2月末の株主名簿に記載されるよう忘れずにコメダ株を買い戻せばいいのです。

次々と株主優待を狙うのであれば、短期間で現金化して次の銘柄に行くことも可能です。

足元の業績は巡航速度で進捗の模様

7月13日に発表された2017年2月期Q1(3-5月期)の決算は、売上収益が対前年同期比+10%増の56億円、親会社の所有者に帰属する四半期純利益が同+7%増の11億円でした。通期の会社計画はそれぞれ同+9%増、同+8%増となっていますので、収益の進捗は通期計画に対しておおむね順調に推移している模様です。

月次売上を見ると、3-7月累計のFC向け卸売売上が既存店で対前年同期比横ばい、全店ベースで同+11%増となっています。この数字からも、通期の増収・増益計画に対して想定線であると見られます。

増収・増益基調ですので、業績面はひとまず安心と言えそうです。

ちなみに、上記の会社予想ベースのPERは18倍、実績PBRは3.9倍ですので、バリュエーション面では割高でも割安でもないといったところでしょうか。

陰線の多いチャートが気になる

最後にチャートを見ておきましょう。

コメダホールディングスの株価推移(日次)

公募価格は1,960円でしたが、上場初日の6月29日の初値は1,867円となり公募価格を割れました。しかし、直後に上昇し7月1日に上場来高値の2,002円を付けます。その後の推移はご覧の通りです。じり安が続き1,800円を一時下回りましたが、リバウンドして1,900円を超えるところまで戻しました。ただ、その後は再びじり安になっています。

ここで気になるのは陰線の多さです。上のチャートで青に塗りつぶされた箱を陰線といいます。陰線はその日の初値よりも終値が低く終わることを意味しています。陰線の多さは、買いたいという投資家があわてて買い上がっていないこと、売りたい株主が株価の戻りの鈍さにあぶりだされるようにじりじり値を下げながら売っていることを示唆していると理解できそうです。

上場後かなり経ちますので、公募で投資をした短期売買志向の投資家の売りは既にこなしたと思われます。しかし、業績が巡航速度で伸びているにもかかわらず、公募価格を上回ることがほとんどないという状況が気にならないわけではありません。

コメダ株を継続保有するかどうかは、コメダの成長への信頼の強さと短期的な株価の変動に一喜一憂するかしないか、そして継続保有の場合、その裏側にある機会費用(コメダ以外の投資先で株主優待を受けることなど)の大きさが決め手になるでしょう。

ご参考になれば幸いです。

 

LIMO編集部