「飽食の時代」、食べたいものが簡単に手に入る世の中です。さらには余った食品を廃棄する「食品ロス(フードロス)」という言葉が登場するほど…。

日本から世界に広まった「MOTTAINAI(もったいない)」の精神とはだいぶ矛盾している感がありますよね。

食料品の購入や、レストランでの外食は、いずれも出費を伴う行為です。食品ロスは、お金を払って手に入れた食べ物を「使い切れない」「食べきれない」ことから起こるわけです。

でも、これひょっとして「お金を捨てている」のと同じでは?

食品ロスを減らし、節約につなげるにはどんな工夫ができるのでしょうか。

1日のフードロスは「1人あたり、お茶碗1杯分」

消費者庁の『令和元年(2019年)度消費者意識基本調査』によると、日常生活において捨てる量を「減らさなければならない」と強く感じるものは「プラスチックの容器包装」81.0%、「食品の廃棄物」80.1%となりました。

2020年7月に「プラスチック製買物袋の有料化」がスタートしたことは記憶に新しいですよね。同じように、食品についても「捨てすぎなのでは?」と皆さん強く感じている様子……。

※消費者庁の資料をもとに編集部作成

農林水産省の『食品ロス及びリサイクルをめぐる情勢』によれば、「食品ロス」とは、本来食べられるのに捨てられてしまう食品を指しています。

たとえば日本では、1年間に1人あたり約48kgの食品ロスが出ています。これは、1日で考えると1人あたり「お茶碗1杯分」(約132g)にあたります。

また日本は食料の多くを海外からの輸入に頼っていますが、一方で食品ロスが大量に出ているのも事実……。なんだか矛盾していますし、何より「もったいない」ですよね。

2019年5月に「食品ロスの削減の推進に関する法律」が成立しました。さらに2020年3月には「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」が閣議決定されています。

「食品ロスの削減」に向けた、国の取り組みが始まっていることが窺えますね。