この金額が考慮されていない

さて前項でご紹介したそれぞれの支出の中で、気になる部分があります。
それが「住居費用」です。

平均値とはいえ、1万3000円程となっており、賃貸で考えた場合は破格の金額となっています。これには理由があります。

総務省統計局「住宅・土地統計調査」令和元年度版では、65歳以上の世帯で、「高齢者のいる夫婦のみの世帯」の持ち家の比率が87.2%となっており、賃貸の割合はわずか12.8%という結果でした。

このような高い持ち家比率が関係していたため、破格の住居費用となってしまったのです。

今は生活スタイルの変化もあり、家を持たない選択をされる方も増えているようです。
老後も賃貸でとお考えの場合は、家賃の備えが別途必要となるということです。

仮に家賃5万円もしくは10万円の賃貸で住んだ場合、老後30年間でいくらになるか出してみましょう。

家賃5万円の場合

5万円×12ヶ月×30年=1800万円

家賃10万円の場合

10万×12ヶ月×30年=3600万円

5万円の家賃だった場合でも、老後資金とは別に家賃が1800万円発生するわけですから、
注意が必要です。
一般的な老後生活費には家賃が考慮されていないと考えておいた方が良さそうです。