昨今注目を集める気候変動対策。その一環としても期待を寄せられる「クリーンエネルギー(再生可能エネルギー)」。日本国内に住む私たちにとっては想像し難いかもしれませんが、新興国の中にはまだまだ電力が行き渡っていない未電化地域が数多く存在します。
こうした新興国の未電化地域を電化するにあたって、「クリーンエネルギー(再生可能エネルギー)」の果たす役割、これからの可能性について、今回はご紹介していきます。
「クリーンエネルギー(再生可能エネルギー)」とは
クリーンエネルギーとは、二酸化炭素(CO2)をはじめとした温室効果ガスなどの有害物質を排出しない、あるいは排出量が少ない、文字通り「クリーン」なエネルギーのことです。石炭や石油、天然ガスなどの化石燃料の代替として、太陽光や地熱、水力や風力などの再生可能な自然エネルギーが用いられており、「再生可能エネルギー」とも呼ばれています。
クリーンエネルギー(再生可能エネルギー)は、温室効果ガスを排出しない、あるいは排出量が少ないことから、パリ協定(※)の目標達成など気候変動対策に貢献することができると考えられています。また、基本的に国産のエネルギー源となるため、エネルギー自給率改善の観点からも各国の政府が注目しています。
※ パリ協定とは、2020年1月に本格実施された、1997年12月に採択された京都議定書に代わる温暖化対策の枠組みのことです。世界共通の長期目標として「世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2.0℃未満に抑え、1.5℃未満を目指す。そのために、可能な限り早期に世界の温室効果ガス排出量を頭打ちにし、21世紀後半には温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる」ことが掲げられています。
新興国の未電化地域と「クリーンエネルギー(再生可能エネルギー)」に寄せられる期待
ここからは新興国の電気を使用できる人口割合(電化率)を見ていきましょう。以下の表は国別の電化率を低い順に並べたものです。
電化率が低い国の大半がアフリカ地域に偏っているのが見て取れます。こうした国で暮らす人々は、電気を使用できない環境下で、不便な生活を余儀なくされています。就寝時にオイルランプを使用し、火事になってしまうケース、調理や暖房のために薪や家畜の糞を室内で燃やし、空気が汚染されることで住人が死亡するケースも珍しくありません。
アフリカ地域は広大な面積ですが、その一方で、1㎢あたりの平均人口を示す平均人口密度は低水準にあります。そのため、発電所や送電網を含む従来のグリッド型の電力系統の導入は、他の地域と比較して構築費用が高く、また、インフラの開発効果が低いことが指摘されています。これが、アフリカ地域が未電化状態から脱することができない主な理由の一つです。
これを打破するため、近年では「クリーンエネルギー(再生可能エネルギー)」、特に太陽光発電の可能性に注目が集まっています。太陽光発電は日が当たりさえすればどのような場所でも設置可能で、小型化も進んでいるため、送電網の届きにくいアフリカ地域での活用が期待されています。
電気が使えるようになることで冷蔵庫の使用が可能となり、ワクチンや飲料水の保存が容易になると考えられています。生活の利便性向上だけでなく、衛生面の改善も見込まれるのです。
また、その設置コストも技術革新によって大幅に低下傾向にあります。IRENA’s "Renewable Power Generation Costs in 2018"によると、太陽光発電の1kWあたりに必要な設置コストは、2010年から2018年の8年間で、約1/4にまで減少しています。
こうした未電化地域の電化への取組みは、その地域の人々の生活環境を大きく改善させます。暗闇に光を照らすことが、その地域の人々の未来に光を照らすことにつながるのです。
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