新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大状況が、ゆるやかに落ち着きつつあります。そんななか、日本では突然の首相交代、大統領選を控えたアメリカの政局など、相場の見通しが立ちにくい状態が続いています。投資・運用方法の見直しについて迷う人もいるでしょう。

2008年のリーマンショック時、投資家たちはどんな動きをとったのでしょうか。調査結果をもとに当時を振り返りつつ、コロナ禍での投資との向き合い方を考えてみましょう。

投資の先輩たちはリーマンショック時にどう行動したのか

アメリカの大手投資銀行の経営破綻に端を発した金融危機、いわゆる「リーマンショック」から12年経ちます。現在投資を行っている人には「リーマンショックを経験していない」いう人もいるでしょう。投資の先輩たちはあのときどんな行動を取ったのでしょうか?

JSKパートナーズ株式会社が投資経験10年以上の人を対象に行った「2020年リーマンショックとコロナショックに関する調査 」の結果をみていきます。

「リーマンショック時にどのような投資行動を取りましたか?」

  • 特に何もしていない・・・36.9%
  • 資産の買い増し・・・18.0%
  • 投資を止めた・・・12.5%
  • リスクのある資産の売却・・・12.3%
  • 新たな投資先の開拓・・・8.9%
  • 可能な限り現金化・・・7.2%
  • 年利の高いところへ投資した・・・2.9%
  • その他・・・1.3%

積極的に投資を続けた人、ポジションを整理してリスクを減らした人、何もしなかった人とそれぞれですね。

特に多い「何もしなかった人」は長期投資の視点から動かなかったのか、ただ損切ができなかったのか……。いずれにしてもポジションはキープしています。「資産の買い増し」をした人は下落相場をチャンスと考えたのでしょう。2000年のITバブル崩壊を経験している人が、数年後には相場が戻ったことを記憶している、という部分も大きいと考えられます。