16~17日には日銀の金融政策決定会合も開かれます。17日には黒田東彦総裁の記者会見も行われますが、引き続き金融緩和の方針には変わりはないと考えられます。そうなると、為替相場は円安方向に動くでしょう。日本株にとっても追い風になります。

今週はこのほか、15~16日には米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)も開かれます。

小幅に調整するが、25日移動平均線で反発

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。先週は、ローソク足の実体が短く、窓をあけて価格が飛んで寄り付くような動きが目立ちました。

9日には窓をあけて下落して寄り付いただけでなく、一時、25日移動平均も割り込みました。ヒヤリとした局面でしたが、終値ベースでは25日線を回復。さらに翌日は窓をあけて上昇し、週末にかけても大きな陽線となっています。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。足元では、23,400円付近まで上昇しては上値を抑えられるという動きが続いています。

上値が重いようにも思えますが、それでいて下値はじりじりと切り上がっていることから、何かのきっかけがあれば、一段上のステージに抜けていくのではないかと期待されます。25日線、75日線はいずれも上向きで、チャートの形も悪くありません。

上値メドとしては、直近の高値である9月3日の高値(23,580円)を超えられるかどうかが一つのポイントになります。ここを回復し下値がサポートされるようであれば、コロナ前の戻り高値である1月17日の高値(24,115円)も視野に入ってきます。

逆に25日線(23,200円付近)を割り込むようであれば、またもみ合いになる可能性もあります。それでも、75日線(22,700円付近)や、8月28日の安値(22,594円)あたりまでは、まだ短期的な調整の範囲内と見てよく、押し目買いの好機と考えることができます。

下原 一晃