ハイセンスジャパン株式会社は、2026年5月15日、2026年の液晶テレビ新モデルを発表しました。コスパを武器に国内シェアを伸ばす同社ですが、2026年は世界初の技術を搭載した高付加価値モデルで、新たな顧客層開拓を目指します。
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出所:ハイセンスジャパン株式会社
1. 国内シェアが急拡大しているハイセンスのテレビ
ハイセンスは世界中で幅広い家電を展開するグローバル企業で、2025年度の売上は5兆円に達しています。テレビ事業では大型モデルに強く、100型以上の出荷台数は世界No.1を獲得しています。
日本でテレビの販売を開始したのは2011年。テレビは海外メーカーが売れないと言われてきましたが、2025年には販売台数シェアで3位と着実に支持を広げています。2026年第1四半期では2位まで浮上しており、勢いが増しています。
同社は「ECで安価なモデルが売れる」ことでシェアを伸ばしてきましたが、直近で拡大しているのが家電量販店などのリアル店舗です。
特にハイエンドモデルの販売店舗拡大に注力しており、2025年の約90店舗に対し、2026年は約2500店舗まで拡大する予定です。
リアル店舗で販売する環境が整い、ミドル・ハイエンドラインのモデルが充実してきたことで、「ECで安価なモデルが売れる」から「多様な販売チャネルであらゆるニーズに対応したモデルが売れる」というフェーズに移行しつつあります。
2. W杯スポンサーや横浜流星起用で露出拡大
ハイセンスはブランド露出にも積極的で、6月に開幕する「FIFAワールドカップ2026」ではオフィシャルスポンサーとなっています。同大会のスポンサーを務めるのは3大会連続で、グローバル企業としての資金力を武器に、日本でも信頼感を醸成しています。
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筆者撮影
国内施策としては俳優の横浜流星を2024年からブランドアンバサダーとして起用し、TVCMなどを展開しています。お茶の間で高感度の高い横浜さんをハイセンスの顔として継続起用していることからも、同社の日本市場における本気度が伺えます。
3. 世界初「RGB MiniLED」モデルを日本で展開
現在のテレビにおける液晶の主流は「直下型LED」ですが、課題としているのが「黒(コントラスト)の表現力」です。課題を解決するために、近年はより多くのバックライトで明るさを制御する「MiniLED」を採用するモデルが増えています。
今回、ハイセンスが主力モデルとして展開するのは、MiniLEDをさらに進化させた「RGB MiniLED」と呼ばれる技術です。
左から直下型LED、RGB MiniLED、MiniLED。RGB MiniLEDは光だけでなく色も細かく制御していることが分かる3/7
筆者撮影
従来のMiniLEDはBT.2020という業界標準の色域で最大75%をカバーしていましたが、RGB MiniLEDは最大100%をカバーします。言い換えると、世の中に存在する映像コンテンツのすべての色を画面上に忠実に再現することができます。
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発光効率の良さも特徴で、従来のMiniLEDは特定の色で不要な色の光を弾くことで描写していましたが、RGB MiniLEDは必要な色の光だけを放つので、エネルギーロスを少なく抑えることができます。高品質なのに省エネというのも、うれしいポイントです。
RGB MiniLEDは色の情報量が多いため、処理するエンジンもハイスペックが求められます。ハイセンスではAIエンジンを二つ搭載することで、この問題に対応しています。これにより色表現だけでなく、映像の立体感やなめらかさなども底上げされています。
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4. オペラ座が認めたフランスのオーディオブランドと連携
フラグシップモデル(RGB UX100V/85V型)では、音響にもこだわっています。フランスのハイエンドオーディオブランド「DEVIALET(デビアレ)」のスピーカーを搭載し、臨場感のあるオーディオ環境を実現しました。
DEVIALETはまだ設立から20年と若い企業ですが、フランスのオペラ座の中に直営店があるなど、世界中で高評価を得ています。今回搭載したのは代表作である「PHANTOM ULTIMATE」という商品をリファレンスした対向式ウーファーです。
重低音の効いた没入感をもたらしながら小型というファントムの特徴を生かし、テレビの限られたスペースの中でも迫力のあるサウンドを再生できるよう、DEVIALETがチューニングを行っています。
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ちなみにRGB UXS 75V/65V型とU8SシリーズにはDEVIALETのスピーカーは非搭載ですが、チューニングはDEVIALETが担当しており、音響のプロによる計算しつくされた音場を堪能することができます。
5. 2026年モデルのラインナップと価格
2026年新モデルのラインナップは以下の通りです。
5.1 RGB UXSシリーズ
RGB MiniLEDを搭載するフラグシップモデル。100V型と85V型はDEVIALETスピーカーを搭載し、映像と音の両方で最高峰を追求しています。
発売日は100V型と85V型が5月25日、75V型と65V型が6月15日。価格は以下の通りです。
- 100V型:198万円
- 85V型:132万円
- 75V型:59万4000円
- 65V型:48万4000円
5.2 U8Sシリーズ
MiniLEDを搭載するハイエンドモデルです。最大165Hz対応でなめらかな映像を再生することが可能。音響はDEVIALETがチューニングしています。
発売日は5月25日。価格は以下の通りです。
- 85V型:49万5000円
- 75V型:36万3000円
- 65V型:27万5000円
- 55V型:23万1000円
5.3 U7Sシリーズ
従来シリーズから最大輝度が33%向上したminiLEDのエントリーモデル。
発売日は4月24日。価格は以下の通りです。
- 100V型:59万4000円
- 85V型:37万4000円
- 75V型:26万4000円
- 65V型:23万1000円
- 55V型:17万6000円
今回の発表には含まれませんでしたが、RGB MiniLEDのハイエンドラインは2026年8月に発表する予定とのことです。
価格重視のエントリーモデルから映像と音に最大限こだわったフラグシップモデルまで、選択肢の幅をさらに広げているハイセンス。ラインナップ拡大とリアル店舗における攻勢は国内のテレビ市場にも大きなインパクトを与えることになりそうです。
参考資料
大蔵 大輔