彼女にも悩んでいた時期があった
「もしもし。今、大丈夫?」
数カ月ぶりにかけたであろうその電話に、いつもと変わらない様子で受けてくれた彼女。ですが、彼女は筆者の様子がいつもと異なる雰囲気を察してくれたのでしょう。「何かあったの?」と話を聞いてくれました。
夫の言動に振り回されていること。
追いつめられ、精神的に辛く苦しいこと。
気が付かないうちに、子どもにも悪影響を与えているのではないかという不安。
きちんと整理して話す余裕のなかった筆者は、思いのままに口に出していたと思います。その中で「離婚を考えた方がいいのかも…」ということも話したのでした。そこで友人が以前、離婚を考えたことがある…ということを話してくれたのでした。
結婚前から続いていた関係が発覚
彼女が離婚を考えた原因、それは「夫の不倫」でした。しかもその不倫関係は、彼女と結婚する前から続いていたことが分かったというのです。夫の両親と連絡を取り、話し合いの場が持たれたといいます。その時に、彼女も「離婚」というワードが頭をよぎったそうです。
でも、当時の彼女にはまだ小学校低学年と幼稚園児の幼い2人の子どもがいました。その2人のことも考え、夫とも話し合いを続けた結果、再構築をはかることになりました。
文字で書けばたった数行ですが、彼女の中では長い戦いだったと思います。再構築…といっても、2年ほど別居していたことは、筆者も覚えていました。彼女の夫の浮気について、筆者も当時彼女から話を聞いていたので、その時の彼女の悩んだ姿は記憶に残っていました。
「どうして離婚しなかったの?」そう不躾な質問をする筆者に、彼女はこう言ったのです。
『子育てをしていく同志だと思えば、過ごせないこともないかなって。下の子が男の子で、中学生になった今、父親と息子の関係性を見て「本当に良かった」って思えるの』
彼女自身に対することは、どう感じているのか分かりません。しかし、彼女が子どもの幸せを願ってした選択であり、その結果、現在は彼女が笑顔で過ごせる時が増えたのであれば、それは彼女なりの正解だったのだろう…と思ったのでした。