2月の年金支給日から少し時間が経ち、春の訪れが感じられる3月上旬となりました。

通帳に記載された金額を改めて確認し、新年度からの生活設計に思いを巡らせている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

特にセカンドライフが目前に迫る60歳代の方々にとって「自分が将来受け取れる年金はいくらなのか」「同世代の人はどのくらい受給しているのか」といった疑問は、非常に気になる点かと思います。

この記事では、公的な統計資料を基に、60歳代から90歳代までの国民年金と厚生年金の平均受給額を、年齢別に詳しく解説します。

ご自身の状況と照らし合わせながら、今後のライフプランを考える上での参考にしていただければ幸いです。

1. 日本の公的年金は「2階建て」の仕組み

日本の公的年金制度は、「国民年金」と「厚生年金」という2つの制度で構成されており、その構造から「2階建て」とよく表現されます。

1.1 1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」の概要

まず、制度の土台となる1階部分が「国民年金」です。

国民年金制度は、原則として日本国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人が加入対象となっています。

保険料は全国で一律に設定されており、毎年度改定されます。

参考として、2025年度における月額保険料は1万7510円です。

40年間、保険料をすべて納付した場合、65歳から満額の老齢基礎年金(2025年度で月額6万9308円)を受け取ることが可能です。

保険料の未納期間が存在する場合は、その期間に応じて支給額が減額される仕組みです。

1.2 2階部分を構成する「厚生年金」の概要

次に、2階部分に位置づけられる厚生年金制度について解説します。

こちらは、会社員や公務員のほか、特定適用事業所で勤務するパートタイマーなど、一定の要件を満たす方が加入対象となります。

厚生年金は単独で加入する制度ではなく、国民年金に上乗せして加入する形態であるため、「2階建て」と呼ばれているのです。

国民年金と違い、厚生年金の保険料は給与水準に基づいて決定されるため、収入が多いほど保険料も高くなる傾向にあります。

ただし、保険料には上限が設けられているため、一定以上の収入がある方の保険料は同額です。

将来受け取る年金額は、厚生年金への加入期間や納付した保険料の総額によって変動するため、受給額の個人差が大きくなりやすい点が特徴です。