楽天やアマゾン、大手配送会社などが次々に導入している宅配便の「置き配サービス」が、急速に拡大しています。

もともとは不在による再配達の解消を目指すための施策でしたが、新型コロナウィルスの影響で“非対面”を求める消費者が増えたことが追い風となりました。各社の手法や置き配で生まれた新サービス、盗難防止対応など今後の課題を解説します。

宅配便の再配達防止策としてスタート

「置き配サービス」はネット通販の拡大で宅配便個数が急増し再配達も増えたため、その防止策として始まりました。再配達が増加するとCO2排出量が増え、ドライバーの人手不足も深刻さが増すことから、社会問題となっていたのです。そこで国土交通省や経済産業省、大手配送会社、大手ネットモールなどが2018年に「置き配検討会」を立ち上げ、対応策を練ってきました。

非効率な再配達を減らすためにさまざまな施策が打ち出され、駅構内のロッカーやコンビニを通じた商品受け取りなどが実施されました。それら施策の1つとして、届け先宅の指定場所に荷物を置くサービスについても、各社が開発を進めてきたのです。

今春から各社が置き配を本格化したところ、予想以上に消費者から注目され、利用者数も伸びていきました。新型コロナウイルスの影響で“非接触”を希望する人が増えことが、背景にあるといえるでしょう。

大手のネットモールや配送会社が積極的に導入

置き配は受領サインが不要で、玄関やガスメーターボックス、自転車のかご、車庫などを事前指定できます。各社とも指定場所はほぼ同じで、建物内の受付や管理人に預ける対応も行っています。