富裕層の資産内容で特徴的なのが、株式の保有が最も多くなっているということがいえます。この中には上場株式及び経営者が自分で持っている未上場株式などが含まれている可能性がありますが、富裕層の資産の約3割は株式で運用されているということがわかります。

日本人にとって株式はリスクの高い資産と思われている傾向があります。その一方で、世界の富裕層の資産内容を見る限りは株式でしっかりとした運用をしているということがわかります。

次いで、特徴的なのが現金及び現金同等物の比率が25%、つまり資産全体の1/4を占めているということがわかります。世界の富裕層でも流動性のある現金などを1/4確保しているということは頭に入れておいてもよいでしょう。

日本人の場合は資産に占める預貯金などの比率が高いということが知られていますが、どの程度の比率で預貯金を持てばよいかという参考にはなるのではないでしょうか。

もっともここでのデータは富裕層に関してのデータですので、一般的な水準の資産を持つ層とは一概な比較はできません。

したがって、いくらの預貯金を持てば良いかという議論に関しては、毎年取り崩す現金の数年分を預貯金として確保しながら、目先必要としない資金は運用に回すということが正解に近いと考えられます。

それ以外の特徴としては、債券、不動産、オルタナティブ資産を均等に持っているというのが特徴ですが、裏を返せば、何か特別の資産に集中投資をしてるということではないということがおわかりいただけるかと思います。