具体的な数値が出るにはもう少し時間を要すると思われますが、2019年度は外食のラーメン市場規模を上回った可能性が高いと見ていいでしょう。それどころか、飲食店の自粛がピークとなった4月以降、一気に形勢逆転となったのは確実です。
外食ラーメンからのシフトは加速するか?
では、コロナ禍が収束した後、再び街中のラーメン店に客足が戻るでしょうか。筆者は容易ではないと考えます。その大きな理由は、多くの消費者が改めて価格格差に気が付くと見られるからです。
外食でラーメンを食べた場合、高価なトッピングをしなければ、1杯700円くらいでしょうか(当然、食べるラーメンの種類にもよります)。しかし、家で即席ラーメンを食べれば、焼豚やメンマなど幾つかの具をのせても高々200円くらいで済みます。
もちろん、各店が創意工夫する手の込んだ味の外食ラーメンと即席ラーメンを比較するのは無理がありますが、既に“即席ラーメンで十分じゃないか”という人が増えているかもしれません。外食ラーメンを食していた人が、即席ラーメンにシフトしてくれば、即席ラーメンはまだまだ成長し続ける可能性は十分あるでしょう。
実際、即席ラーメンの味も年々進化しています。今回のコロナ禍によって、即席ラーメンの成長がさらに加速するのか注目したいと思います。
葛西 裕一