しかしながら、コロナ禍の影響が一気に拡大した3月は、消費者による異常なまでの買い溜めや、それを見込んだ小売店の仕入増等に対応するため大増産となり、3月単月では数量ベースで対前年同月比+19.4%増、金額ベースで同+21.2%増の記録的増加につながりました。

その結果、前述の通り、2019年度の数量ベースは微減(対前年比▲0.1%減)、金額ベースは増加(同+2.2%増、過去最高を記録)となったのです。

ちなみに、この増産傾向は新年度になった2020年4月以降も続いており、とりわけ、4月は単月ベースでは過去最高の生産量・金額となっています。

即席ラーメンの数量以上に増加する生産金額

ここで注目したいのは、コロナ禍による想定外の押し上げ効果があったとはいえ、生産金額で過去最高を更新し続けていることです。ここ数年で見ても、数量ベースの増加以上に金額ベースが増加していました。これは、単純に考えれば、単価が上昇していることに他なりません。

その理由としては、高級タイプの増加や、カップラーメンの大サイズ化が要因と考えていいでしょう。確かに、コンビニやスーパーでは、びっくりするような大きいサイズのカップラーメンが陳列されています。

また、見逃せないのは、外食からのシフトです。実は、2018年度の時点で、即席ラーメンの生産金額は、過渡期にあると言われている外食産業のラーメンの市場規模(約6,000億円、推定値)に近づいていたと見られていました。