契約条件を確認しにくい表示で注文後はキャンセルも困難
こういった「定期購入」サイトにまず共通しているのは、初回の低価格を強調する一方で定期購入が条件という文字はごく小さく、何度も画面をスクロールしないと表示されないことです。スクロールの途中で注文画面に飛んで申し込めるように誘導し、消費者が契約条件を最後まで確認しにくい仕組みになっています。
また、注文後にキャンセルを申し出ても、数回分の代金や初回分通常価格という高額な支払いを求められる場合がほとんどです。さらに、ネットでは受け付けず対応は平日の電話対応のみで、何回かけても通じないなど、あえてキャンセルを避けているような販売会社も目立ちます。
クレジットカードを保有しない未成年や若年層を狙い、コンビニ決済での支払いに誘導するケースも増えています。コンビニ決済の多くは債権譲渡型の後払いのため、販売会社と連絡がつかない状況にある消費者に、債権回収会社や弁護士事務所から督促の連絡があったりします。
そういう状況に置かれると不安に陥り支払ってしまう消費者がいることも、定期購入トラブルが簡単にはなくならない理由の1つです。
クーリングオフは適用されず契約には法的拘束力があることに注意
キャンセルや返品については、まず覚えておいてほしいポイントが2つあります。
1つは、ネットを含む通信販売には訪問販売や電話勧誘販売のような“不意打ち性”がないため、特定商取引法による「クーリングオフ」が適用されないという点です。一方で「返品特約」という決まりはあるため、広告に「返品不可」など特別な表示がなければ商品到着後8日間は返品が可能です。